ヤフー×ソニー不動産「おうちダイレクト」一般媒介と利用者規約で物件の囲い込み体制か

FDJ不動産ニュース

「おうちダイレクト」はソニー不動産との売却が必要、かつ、他サービスで売却活動は禁止

昨日発表されたヤフー×ソニー不動産「おうちダイレクト」について、昨今不動産業界で問題視されている「囲い込み問題」に類似する懸念があることがわかった。

「おうちダイレクト」についての基本的な概要は以下の通り。

・物件を売りたい売主は自分で売却情報を入力できる
 → 売却価格はシステム内の相場・類推価格を参考にできる
 → 身分証明書等が必要
 → 誇大表現等の公取禁止ワードは禁止(システム的に対処済みと思われる:入力できない)

・入力した情報はヤフー内の「ヤフー不動産」に無料で掲載される

・売主は、一般ユーザー:購入希望者(検討者)と質問・回答欄でコミュニケーションが取れる
 → ヤフオクと同等か?質問および回答は基本的に公開(回答しない場合は非掲載)

・案内が決定したら、ソニー不動産と媒介契約を締結する必要がある。

・媒介契約の形態は一般媒介契約
・レインズ掲載等はしない
・一般媒介ながら「おうちダイレクト」以外の不動産業者への物件提供はNG

 

利用のためのガイドには以下のように記載されています。

・以下のいずれかの場合、売り出しは行えません。
– 宅地建物取引業者の所有
おうちダイレクト以外のサービスで売却活動を行っている
– 実際に売却する意思がない
– 購入希望者による物件の見学を受け入れられない

~「おうちダイレクト使い方ガイド」より

また、利用規約には以下のような文言の記載があります。

(2) 売却希望登録を行おうとする者は、以下の条件をすべて満たすことが必要です。
ア 宅地建物の取引を業としていない者であること
イ 売却希望物件の所有者として登記されていること
ウ 売却希望物件にオーナー登録者以外の共有者が存在する場合には、共有者全員の同意を取得していること
エ 売却希望物件に関し、指定仲介会社以外の者と売却希望物件の売却に係る媒介契約を締結していないこと
オ 本サービス以外のサービスにおいて、売却希望物件の売却のための一切の活動を行っていないこと
カ 購入希望者による売却希望物件の見学を受け入れることができること
~「おうちダイレクト」利用規約より

ソニー不動産との媒介契約は必須。しかも一般媒介契約であるにもかかわらず「おうちダイレクト以外のサービスで売却活動を行っている」を利用規約で禁止している。一般媒介のレインズ登録は任意であることから、レインズへの掲載はしないとのこと。

売主は「おうちダイレクト」を利用する以上、ソニー不動産との契約を強いられ、他の不動産業者は利用できない。

そもそもソニー不動産は双方代理・両手仲介を不動産業界の悪しき文化とし、エージェント制を持って双方代理からセーラーズエージェント・バイヤーズエージェントの制度を目指したのではなかったのか、これではその理念と姿勢に疑問が残る。

不動産売却物件の囲い込み行為は、長年不動産業界のガンでありつづけたものが、昨年・本年と急速に問題が表面化している。

媒体としての「ヤフー」、不動産実務としての「ソニー不動産」、この2つを分けることによって囲い込み問題の表面上の問題クリアを狙っているものと思われる。しかしながら、実質的に売主は拘束され他業者への売却展開や紹介を受けられない状態であるため、「おうちダイレクト」は実質的にはヤフーおよびソニー不動産による「物件の囲い込み」になる。

「不動産流通革命」「取引の透明性」を謳っているが、これでは不動産業界の悪しき取引文化の継承にも思える。

自由に取引というならば、不動産業界全体にプラットフォームを公開し、不動産業者を巻き込んで流通革命をしてはどうだろうか。

 

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