不動産業「囲い込み問題」とは

不動産囲い込み

共同仲介を無視する売主囲い込みの問題

別のサイトで以下のようなコメントがありましたので、すこしわかりやすく「囲い込み問題」について書いてみようと思います。

情報元の不動産会社がポータルサイトやホームページに情報をしっかり載せればそれで客が来るんじゃないでしょうか。何か囲い込みの話をみると仲介手数料が両手、片手とかそんな話しか出てこなくてユーザー側からするとゲンナリしますね。手数料がもらえない不動産屋の恨み節にしか聞こえませんよ。 ~ウィルステージソニー不動産とYahoo!不動産が始めた「おうちダイレクト」ってどうなの?(2)

おっしゃる通りでございます。

不動産会社のHPにて「囲い込み」問題に指摘するサイトは最近やっと増えてきました。しかしながら、どうしても営業上のことですから、色眼鏡でみられてしまうこともあるでしょう。
そこで、何がどうして問題なのか、「不動産屋にとって」ではなく、売主や買主という一般消費者に対して「何が問題なのか」というところを、なるべくわかりやすく解説してみたいと思います。

 

まず、不動産を売りたい人(以下売主)が、不動産業者へ売却を依頼してからの業界的な標準流れは以下のようになります。

 

不動産業における囲い込み問題の図その1

ようするに、売却依頼を受けたら業者間データーベースに登録して、自社だけでなくエリア内の同業者みんなで営業する、という形になるわけです。本来的には。

お客さんが売却を依頼した不動産業者のみならず、「レインズ」という業者間で不動産情報を共有するデータベースを通じて、1社だけでなく広く他の不動産業者でも顧客を見つける活動をしてもらいます。(売却を依頼した不動産会社と、その他の不動産会社が一緒になって活動をすることを「共同仲介」といいます。)

なぜこのような活動をするのか?

それはそのほうが多くの購入希望者へ情報公開ができ早く売却でき売主のためになるからです。(大きな視点で言えば不動産物件の流通が活発・促進され、国家としてのメリットもあります)

 

不動産仲介業の場合、大手といえども寡占といえるほどもシェアを持つ会社はありません。
不動産業の場合、買う人も売る人も地元の人だったりして、業として地域密着がとても強く大事なので、地域によっては大手よりも力のある地場業者などたくさんあります。
さらには、宅地建物取引業者(不動産業者)は12,000社以上もあり、もうずっと群雄割拠状態が続いているのです。

そんな状況の中で、たった1社だけで顧客を探すよりも、多くの業者の力を借りて、みんなでお客さんを探す活動つまり「共同仲介」したほうが、買いたいお客さんを早く見つけられます。(一社で孤軍奮闘で営業するより、多くの会社で一緒に営業したほうが結果が出やすいイメージ)

購入希望者にとってもあちこちの不動産屋に情報が散らばっているよりも、どこの不動産業者でも同じ不動産情報がわかったほうが便利です。
なので、公的なものとして不動産情報をまとめ、業者間流通データベースとして「レインズ」というものが昔からあります。この「レインズ」を使って、情報が拡散され、スムーズな売却活動と物件流通が実現されるわけです。

 

では、そのレインズをつかって「共同仲介」された場合、あるいは「不動産売却を請け負った会社が、自社で購入希望者(以下、買主)を見つけてきた場合」の手数料はどうなるのでしょうか。それをまとめたのが下の図です。 

売主からもらえる手数料は、売却の契約をした業者が独占します。
買主からもらえる手数料は、買主を見つけてきた業者がもらいます。
つまり、不動産売却を請け負った会社が自社で買主も見つけてきた場合、手数料は両方からもらえるわけです。

不動産業における囲い込み問題の図その2 

売主からのみ手数料をもらう場合は「片手」売主から手数料をもらい、買主からも手数料をもらう場合は「両手」と、業界内ではいいます。
(買主を見つけてくる業者は、おのずと「片手」取引となります。)

儲かるのはどちらか、といえば、もちろん「両手」なわけです。

この「両手」取引を狙って、あるいは契約の独占を狙って「物件の囲い込み」が行われます。

▽以下、次ページに続きます。

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