日本の今後10年の住宅政策の指針「住生活基本計画(全国計画)」を閣議決定

FDJ ニュース 不動産データアンドジャナール

18日、我が国の今後10年の住宅政策の指針となる、新たな「住生活基本計画(全国計画)」(計画期間:平成28年度~平成37年度)が閣議決定されました。

これは、少子高齢化・人口減少等の課題を受け止め、新たな住宅政策の方向を提示するものです。具体的な法律決定ではなく、あくまで指針「こういう方向で行くよ」というものです。

住生活基本計画 (全国計画 )の公開PDFファイルを見ると、前提条件とするものがネガティブな我が国の国民生活問題が並びます。
通常、都市問題といえば、過密や騒音・衛生・利便・住戸不足などなどが思いつきますが、我が国ではもはやそういうステージはすぎ、どちらかといえば衰退の色さえみえるようなネガティブリストになっています。

【住生活基本計画 (全国計画 )にみる前提となる問題】

◇人口減少と少子高齢化
◇地方圏の人口減少と継続・増大する大都市圏への人口流出
◇大都市圏における後期高齢者の急増
◇生活保護受給世帯の状況

(世帯数の減少により空き家がさらに増加)
(地域のコミュニティが希薄化しているなど居住環境の質が低下)
(リフォーム・既存住宅流通等の住宅ストック活用型市場への転換の遅れ)
(マンションの老朽化・空き家の増加により、防災・治安・衛生面での課題が顕在化するお それ)

これらに対処するべく、これに対処すべく考案・立案されたのが住生活基本計画 (全国計画 )ですが、目標は以下の通りとなっています。

【居住者からの視点】
目標1 結婚・出産を希望する若年世帯・子育て世帯が安心して暮らせる住生活の実現
目標2 高齢者が自立して暮らすことができる住生活の実現 目標3 住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保

【住宅ストックからの視点】
目標4 住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築
目標5 建替えやリフォームによる安全で質の高い住宅ストックへの更新
目標6 急増する空き家の活用・除却の推進

【産業・地域からの視点】
目標7 強い経済の実現に貢献する住生活産業の成長
目標8 住宅地の魅力の維持・向上

指針なのでやっぱり抽象的です。空き家問題・地域問題・住宅ストック指向、といった従来の話をまとめた感じでしょうか。

住生活問題から見えてくるのはやはり、国家全体のバランスの悪さでしょうか。
ここに挙げたものはいまや住宅問題だけでは解決ができないことばかりです。

空き家・老人問題・生活保護など国家負担の問題でもありますが、社会福祉費用の増大が増税や社会不安を招いているわけですし、解けない知恵の輪状態になっている側面は否めません。

住宅のフローからストックへ、という号令なども、味のある歴史的建物は別として、まだ経済が元気な昔に大量生産された貧弱な建物を無理してリフォームするよりも、現代の技術・設備で建て直したほうがもっといいものが安くできるという面もあります。安易な新築否定は建築技術文化の否定にもなりかねません。

全体的にアンバランスな我が国の現状を、どう整えていくのか、そしてその先にどんな素敵な未来が描けるのか、課題は複雑で解決はなかなかに難しいようにも思えます。

なんにせよ、現状は問題山積。

ワールドワイドな時代になり、世界的に貧富の差が広がり経済競争が拡大していくシビアな時代、立ち止まることは許されません。
政争のための反対論争・クイズ対決ばかりではなく、政治にもしっかりと現実に向かい合って対処してもらいたいものです。

 

住生活基本計画(全国計画)(平成28年3月18日閣議決定)

 住生活基本計画(全国計画)のポイント
 住生活基本計画(全国計画)(概要)
 住生活基本計画(全国計画)(本文)
 参考資料

 

 

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