【不動産ダイジェスト】

八高線は麦秋なり/『仲介王』を訪ねて

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不動産・住宅ジャーナル/2003年6月15日号

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 八高線に乗って、不動産仲介支援ソフトとして人気の高い『仲介王』の開発・販売元である大志興業(株)(高崎市、資本金1,000万円、志村 桂司郎社長)を高崎に訪ねた。
 不動産関係のソフトはローカルな環境で開発されているものが多く、中でも『仲介王』はどんな社員や人脈によって発想・開発されたのかその物語に興味が募ったからである。

 もう一つ、自宅が入間市なので、最寄りの金子駅(八王子から6つ目、高崎までは17駅ある)から、たまには半日旅行を楽しむのも悪くないと思った。
 八高線は、埼玉県に入って「高麗川」までが電化。ここで、ワンマン運転のディーゼル車になって、「寄居」までは、山裾と山間をすれすれに走って行く。季節がら桑畑(まだ少し残っている)やとうもろこし畑の緑が美しい。ジャガイモも花時である。
 平野部の寄居に近づくと、そこは、一面の麦秋であった。大麦と小麦畑が「児玉」を通り越して群馬県との県境まで続く。このあたりは、二期作らしく、麦が刈り取られたところでは田植えの"代かき"が始まっている。今ごろは、田植えが終わっているのかもしれない。

 さて、大志興業(株)は高崎市芝塚町にある。出迎え頂いた志村社長の車でおよそ5分。交差点の一角にある自社ビルが本社で、1階が不動産業の大志興業(株)。3階以上が『仲介王』のワークスペース(仕事場)である。
 開発室などを見せて頂いた後、志村社長、このほどCentury21に営業支援システムを納品したK社員、リナックスの使い手であるM社員、それに『仲介王』の原型を着想し地域的なコンソーシアムの中で展開してきたオルガナイザーK氏らと懇談。彼らの話を総合すると、『仲介王』( http://www.chukaio.com/ )は最初はフリー・シェアウエア的なソフトとして開発され、そこに30年にわたり不動産仲介業を営んできた大志興業(株)・志村社長のノウハウと若い社員による最新のソフトテクノロジ−が結合して現在の完成品に発展してきたらしい。
 『仲介王』は、キャッチフレーズで、「不動産仲介業のプロが基本業務を的確にシステム化」と謳っている。

 ところで、レインズのIP型などに対応しているこうした不動産取引の支援ソフトは、その多くがなぜローカルな環境の中から生まれてくるのだろうか。私が調べた限りでは、IP型対応ソフトの開発元は、北海道札幌市、富山県高岡市、埼玉県所沢市、大阪府尼崎市、兵庫県姫路市・加古川市、それに今回訪問した群馬県高崎市などに散在している。
 これは、中央の規制的社会に比べて、地方の方がその"くびき"から開放されて発想が自由にできるからなのかもしれない。

 高崎に出かけたのは、5月の27日。それから10日前の17日に、米国では全米リアルターズ協会(MAR)がMLSの物件リスト利用を全面開放する決議を行っていた。八高線での帰りに夜の車窓を眺めていると、「日本では、レインズのIP型導入と同時になぜ流通機構はレインズ情報を利用した営業支援ソフトを開発しなかったのか」という疑問がふっとわいてきたが、やがて眠気にからめとられてしまった。

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