【不動産ダイジェスト】

地価超落を巡るGY対談を読んで

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不動産流通ジャーナル/96年6月1日号

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 エコノミスト誌の5月21号“地価超落の現実”を探る特集号で、「器量の悪い商業用不動産に救いはない」という“不動産業者が見た東京の地価下落”についての対談が載っている。
 対談しているのは、後藤不動産(株)の後藤晃社長と神田土地建物(株)の山本道廣社長の両鑑定士で、両氏はバブルが発生して地価急騰の源となった都心3区で公的地価の評価を担当(後藤社長が文京区と豊島区、山本社長が千代田区と中央区)してきただけに、内容がかなりリアルで面白い。
 全体は、
  1.動いているのは内輪の取引
  2.公示地価の“暗黙の了解”
  3.“美形”は銀行同志で処理
という構成になっているのだが、とりわけ面白いのは「取引がないままなぜか下がっていく地価。その現場はどうなっているか」(記事のリード)と、誰でも不思議に感じるカラクリが、地価の公的評価を担当する鑑定士によって明らかにされていることである。

 「公示地価の“暗黙の了解”」については、その筋からの叱責があったりするといけないので内容には触れないが、「動いているのは内輪の取引」だけという項目では、千代田区の商業地で95年の1年間に取引された87件についてその実態を把握してみると、売買ともに当事者は不動産業以外の法人であった──という事実が報告されている。
 ここからは、都心地区の土地売買は“リストラや益出し”のための取引が中心であるという実態が浮かび上がってくるわけだ。
 「“美形”は銀行同志で処理」という項目では、地価が下がっても「市場には、いい不動産は出てこない」と指摘されている。よく言われるように「美形は内輪で処理されてしまう。不良債権には、器量の悪い不動産が多い」のが実態だからだ。
 ところで、対談の一つの結論である「バブル崩壊というのは人為的なものだった。逆に言うと、今度は人為的に緩やかなカーブを描くように上昇の政策がとられるはずだ」というのは、明るいニュースなのかもしれない。


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