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不動産業のインターネット戦略/97年6月号 | |
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| このレポートは、(財)土地総合研究所が季刊で発行する『土地総合研究』の97年春号に寄稿した「住宅・不動産業のインターネット対応戦略」を、同研究所の許可を得て当ホームページで公開するものである。 全体の構成は以下のようになっているが、このコーナーでは「1.はじめに」と「2.不動産業の対応戦略について」を掲載した。「3.住宅産業の対応戦略について」と「4.まとめ」は、「住宅産業ニュース/97年6月号」に掲載している。 また、『土地総合研究』のほうでは関連資料も掲載しているので、そちらも併せてご覧いただければ幸いである。 1.はじめに |
(1)急増する業界ホームページ住宅・不動産業によるホームページの開設数は、急激な増加が続いている。(株)不動産データ&ジャーナル社の調べによると、「住宅・不動産および建設・建築のホームページ」は、97年1月までの累計で2,025件となった。
これをページ種別・業種別で見ると、以下のような分布になる。
住宅・不動産の両業界におけるホームページの開設はその後も急ピッチで、2月が270件、3月が191件、4月が298件となり5月1日現在の累計は2,784件にのぼっている。
- 総合索引・情報=97件
- 不動産業=618件
- 物件情報誌=12件
- メーカー・工務店=173件
- 建設・土木=184件
- 設計・建築士=150件
- リフォーム・各種工事=103件
- 関連産業=468件
- 業界・関連団体=91件
- プロジェクト=29件
- まちづくり=59件
- 学校=41件
業界の先駆的な企業数社が、インターネット上に初めてホームページを開設したのは95年9月であり、1年後の96年9月までの開設数は1,009件だった。
それが、同年10月=214件、11月=244件、12月=210件と高水準の開設ラッシュとなり、97年は1月が348件で、2月以降は前述のような推移を見せてきたのである。
また、ホームページの検索ディレクトリー(住所録)として有名な『YAHOO! JAPAN』への登録数(97年5月現在)は、となっている。
- 不動産業=208件
- 建築=331件
- 建設=576件
こうしたデータや過去の推移などから見て、わが国の住宅・不動産業におけるホームページの数は、97年夏には軽く3,000件を突破し、秋から冬にかけては3,500〜4,000件にのぼるものと予想される。
(2)ホームページ急増の背景それでは、ホームページがなぜこれほど急速に増加しているのだろうか。その背景には、「いつでも、どこからでも、誰でもが利用できる」というインターネットが持つ「双方向性の利便性」と「利用コストが安い」――という理由がある。
この稿は、インターネット・ホームページの解説を目的としたものではないので、インターネットの利便性とコストについては、本稿の理解を深めていただくための範囲内にとどめながら、以下にその概要を記してみよう。
1)利用コストが安い
コストが安いと言っても、パソコンの購入費(30万円前後)、電話回線の確保、プロバイダー(インターネットへの接続サービス業者)との契約料金(入会金1万〜3万円)が初期投資として必要になる。
これに加えて月額のコストは、プロバイダーに支払う月額会費(3,000〜5,000円。ホームページを開設する場合は、サーバー=情報の保管場所の使用料が5,000円前後)、電話使用料(ホームページを閲覧した時間の電話料金)が必要になる。2)いつでもアクセス可能
インターネットは、世界中のコンピュータ情報ネットワークを一つに結んだ24時間体制の“サイバー空間”であると言える。このため、アクセスは24時間可能である。例えば、会社では仕事に必要な情報を検索し、自宅に戻ってからは趣味のページを閲覧する事ができる。
一方、ホームページで情報を発信する場合も24時間可能で、企業が商品のPRを行う場合、新聞やチラシ、TVなどでは回数や時間に制約があるのに対し、ホームページでは常時情報を発信し続ける事が可能である。
3)どこからでもアクセス可能
電話とパソコンさえあれば、ホームページのアクセスはどこからでも可能であり、世界中のどのホームページも閲覧できる。
このため、日本のマンション会社が開設しているホームページには、海外で勤務中の商社マンや現地法人の帰国予定者がアクセスし、ホームページで事前に“家探し”を行うという現象も目立つようになってきた。
4)誰でもがアクセス可能
ホームページには、上記したような環境が整っていれば誰でもアクセスする事ができる。このため、大手メーカーの多くが英文ページを併設し、海外からの資材調達やプロジェクトへの海外からの入札に窓口を開設したりしている。
それでは、こうしたインターネットの利便性を背景に、いったいどれくらいの人がホームページを覗いているのだろうか。
わが国有数のプロバイダーである「BEKKOAME」では、毎日のアクセス数を「アクセス・ログ」のコーナーで公開している。このアクセス数をもとに、わが国のホームページ閲覧人数を試算してみよう。
「BEKKOAME」の96年5月における1日のアクセス数は、多い日で330万件を突破していた。それが97年5月には毎日2,000万件前後のアクセス数を記録している。この1年で、ざっと7倍近い伸びを見せた事になる。
ところがアクセス数というのは、各ホームページの1ページ単位に何回アクセスがあったのかをカウントしたもので、一人があるホームページにアクセスして10ページを閲覧したとすると10件というカウントになる。このため、人数として計算するのには10分の1前後(2,000万件×10分の1=200万人)にするのが妥当だと言われている。
しかし、「BEKKOAME」と同程度のアクセス数を持つ有力なプロバイダーが10社前後あるため、200万人×10社=2,000万人となる。また、一人当たりが見る平均ホームページ数は5件前後であると言われている中で、実数を計算しようとすると、この2,000万人を5分の1にしなければならない。
このため、極めて大ざっぱな試算になるが、わが国の1日当たりの閲覧人口は、97年5月現在でざっと400万人ぐらいだと見てそう大きな誤差はないようだ。
(3)ホームページの覗き方ところで、ホームページがここまで急速に普及・拡大してきた背景には、もう一つ閲覧したいページを探す検索技術が急速に進歩してきた事がある。
見たいホームページを検索する場合に、ページの全数が少ないうちは、そのページのアドレス(URLと呼ばれ、各ページに一つだけ与えられた表札のようなもの)をブックマーク(パソコン上のURLのメモ帳のような機能)に覚え込ませておけば、それで十分だった。しかし、住宅・不動産業関連のホームページだけでも2,500件近くにのぼる現在では、そうした方法(それはそれで、有効な手段ではあるが)では埓があかない。
そこで、利用すると便利なのが、「ディレクトリー」と「サーチエンジン」という機能である。
「ディレクトリー」と呼ばれるホームページの検索ページでは、書店で売っているホームページの紹介ガイドと同じ情報が画面上で見られる上に、そのページにリンクですぐに飛んでいける。具体的な例をあげると、最も人気の高い『NTT DIRECTORY』では、「ジャンル別検索」から「企業紹介」を選択すると、「建設」や「不動産」の項目にたどりつく事ができる。
また、「サーチエンジン」では探している情報のキーワードを画面に打ち込むと即座にそのアドレスを教えてくれるので、そのスピードにはびっくりしてまうだろう。
「サーチエンジン」で、企業情報の検索に便利なものとしては『InfoBee』(NTTの検索サーバーでページ内容の説明が付いている。『NTT DIRECTORY』のページからアクセスできる)や『InfoNavigator』(富士通が運営、カテゴリーごとの簡単な説明を検索できる)などがある。
この他に、情報検索で便利なのは、テーマごとに関連の情報を集めた例えば学芸出版社の『建築・土木・環境・まちづくりインターネッ トアドレスブック』などの“リンク集”を活用する事で、このリンク集をブックマークに入れて置くと次回からの検索が大変に楽になる。
(1)インターネット活用の現状97年4月は、不動産業のインターネット活用にとって、“新時代への突入”を思わせるいくつかの進展があった。
その一つは、関東を代表する不動産流通業の団体である(社)不動産流通経営協会(枝村利一理事長、会員数=340社、略称=FRK)が4月21日、会員の物件情報を一般ユーザーに公開するホームページ『ホームナビ』(英文名=Home Navigator)の運用を開始した事である。
現在、会員52社が参加し、公開物件数は1.5万〜2万件を見込んでいるが、97年中には60〜70社の参加になる見通しだ。
これに先がけて、3月には関西を代表する不動産流通業の団体である関西不動産情報セン ター(堀切民喜理事長、会員数=682店、略称=KRIC)も、会員682店の全店を紹介するホームページを開設している。
このFRKとKRICの試みは、ホームページによる情報公開がユーザーと不動産流通業の両者にとって実用化期を迎えたものとして、注目される動きである。
もう一つの進展は、ホームページによる物件情報公開の成果が、数字の上で初めて確認された事だ。
マンション分譲の大手である大京が4月23日に発表したところでは、96年度におけるライオンズマンションの契約状況のうち「インターネット利用によるマンション購入実績は30億5,726万円=76戸」にのぼっている。
同社は、95年12月からホームページによる情報提供を開始し、96年3月まではアクセス数=2,411件、購入契約件数=2件、購入金額=8,807万円にとどまっていたものの、97年3月末までの1年間では3万1,369件のアクセス(購入実績は前述のとおり)となっている。
上記の2例は、インターネットのホームページが実用化期に入ろうとしている姿を捉えたものだが、ここでは次に、不動産業におけるインターネット活用の現状を見ていく事にしよう。ホームページを中心にしたインターネット活用の現状は、次のようなパターンを見せている。
1)広報活動・PRとしての活用
これは企業の活動内容や決算概要、サービスなどを一般に広報・PRしていこうというもので、各企業のホームページの開設が始まった初期(95年9月から96年夏頃まで)においては、他社よりも早くホームページを開設する事で“優位性を示せる時期”であった。
しかし、ホームページの開設数が今日のように急増してくると、こうした“先がけ型”の開設では、あまりPR効果もなく人の目を引く事もなくなってきている。
さらに、ホームページの作り方も、写真の処理技術やデザイン技術の進歩によって日進月歩の向上を見せ、こうした“先がけ型”ものよりも後発組の出来映えのほうがはるかに良くなってきている。
このため、先発の各社ではホームページを全面的に作りかえたり、内容の充実を図っているところが多い。
そうした先発組の一例としては、三井不動産の『AmPark』が代表的であるが、同社ページへのこれまでのヒット数は延べ6万5,990件(97年5月現在)となっている。
2)ユーザー向け実利情報の提供
さて、ここでは便宜上ホームページの開設時期が96年秋以降のものを“後発組”と呼ぶ事にするが、こちらでは上記した企業の「広報活動・PRとしての活用」に加えて、「ユーザー向け実利情報の提供」を行うパターンが目立っている。
このパターンでは、などが、これまでに実現している。
- 不動産・マンション用語の解説
- 購入者にとってのローン借入・返済のシミュレーションの提示
- 企業にとってのビル移転の損得シミュレーションの提供
代表的な実例は、以下に示すとおりである。
- 野村不動産=「不動産関連用語集」では、50音順に詳細を解説。ビル移転シミュレーションも提供。
- 長谷工コーポレーション/マンション百科 事典=「住まい論」では、用語をわかりやすく解説。
- 明和地所=「マンション用語辞典」では、50音順にマンション用語の最新解説を提供。
3)販売情報の公開による営業促進
不動産業(および住宅産業=後述)にとって、インターネット上でホームページを開設する事は、分譲物件(および新商品など)を広く公開し、営業促進を図る事が第一義的な目的である。
つまりホームページは、企業にとっては新聞・チラシ・テレビ・雑誌などに加えた新しい販売促進のための広告メディアなのである。この項の冒頭で示したFRKやKRIC、大京などの実用化例は、こうした利用実態を端的に示したものと言えるだろう。
物件情報の公開によって営業促進を図ろうとする企業の動きとしては、マンション業界の主な例をパターン別にあげると次のようになる。
- パターン1/独立ページの併設
- かろり〜な/Urban Life Style=同社はマンション分譲物件の公開に先べんをつけたところで、「不動産物件情報検索サービス」のページでは、分譲マンションマップ(首都圏)から、各物件にリンク。
- パターン2/物件情報コーナーの開設
- 東急不動産/TOKYU HYPER LAND=「東急不動産の街とマンション」として、街情報とマンション情報を独立させている。
- 三井不動産/AmPark=「三井のマンション」として、物件情報コーナーを独立。
- パターン3/物件検索機能の併用
- ダイア建設/ダイアパレス=新規発売物件は一覧リストで、発売中物件はエリア別に「クリッカブル・マップ」から検索。
- 大京=「物件案内」は、サーチエンジンで行う。予定物件は一覧リストで公開。
- パターン4/一覧リストから詳細情報へ
- 朝日建物=物件一覧から販売物件ページにリンク。
- 東京建物=販売物件情報として、全国エリア別に一覧リスト。
- 藤和不動産/分譲マンション情報=「路線別案内図」から、販売中の分譲マンション情報へ。
- パターン5/周辺情報も提供
- 旭化成不動産販売=販売マンションの「街の案内」コーナーでは、周辺の生活情報を提供。
- 有楽土地/住まいのページ=「はじめての住宅散歩」として、新規・販売予定物件の一覧リストから詳細情報と周辺の生活環境・利便施設を案内。
- パターン6/テストルーム
(2)不動産流通を活性化へ不動産業のインターネット活用では、マンション・建売り住宅など分譲中物件の情報をホームページで公開して営業促進を図ろうとする動きと並んで、仲介情報を公開して流通市場の活性化を促進していこう――というもう一つの流れがある。
この流れでは、インターネット活用の先進国であるアメリカがモデルになっている。まず、アメリカのホームページを活用した不動産流通市場の改革の動きから見ていく事にしよう。
1)全米リアルター協会の挑戦
全米リアルター協会(略称=NAR、会員数=73万人、96年の年間成約実績=約398万戸)がインターネット上に『Home Search』の名称でホームページを開設し、会員の営業支援と一般ユーザーの便益向上のために仲介物件(中古住宅)の情報公開に乗り出したのは、95年10月であった。
この背景には、社会一般にインターネットが普及してくる中で、不動産業以外のテクノロジー会社や雑誌社などが運営するホームページによる物件情報の公開が相次ぎ、NARが運営してきた業者間の情報交換組織である「MLS」(Multiple Listing Service)が十分に機能しなくなってしまった事などがあった。
つまり、一般ユーザーは、不動産業界の中で100年余にわたる実績を持つ情報交換組織よりも、わずか数年の実績しかない“インターネットを利用した物件探し”のほうを支持するようになってしまったのである。
このため、NARの物件公開のスピードは速く、95年11月に3万2,000件(5州)だったものが、96年5月には23万2,000件(21州・36都市)に及び、10月には44万7,000件(37州・95都市)となった。この間、一般ユーザーからのNARホームページへのアクセス数(閲覧された物件の延べ件数、以下同じ)は96年5月が月間600万件、10月が同1,000万件となり、10月のホームページを通じた物件成約率は全成約数の10%前後にのぼっている。
しかし、NARの子会社としてこのホームページ運営や会員のテクノロジー対応の支援に携わってきたRIN(Realtors Information Network)は、10月になると財政破綻などが表面化して躓づいてしまう。このため、物件公開数は一時足踏み状態を見せるが、RINが投資銀行やベンチャー資本、テクノロジー会社などの支援によって97年1月から新会社=RealSelect, Inc.として再稼働してからは、物件数の急増とアクセス数の増加が続いている。
一方、NARのホームページ開設による物件情報の公開を促す働きをしてきたテクノロジー会社や雑誌社の物件公開ページも95〜96年には急成長を見せ、物件数が20万〜30万件にのぼる“巨大な情報ページ”を運営するところがUSデジタル社の『HomeWEB』など6〜7社にのぼっている。
NARのホームページはそうした中で、97年5月には物件数も70万件を突破し、月間アクセスも1,800万件を超え、ホームページを通じた会員の物件成約率は20%前後で推移している。さらに、NARでは次の戦略展開として、4月には米国最大の全国新聞である『USA TODAY』と3大テレビネットワークの一つであるNBC(実際にはその傘下でオンライン事業を行っているNBC−IN)の2社と、両社のオンライン・ネットワークの項目別広告コーナーを通じて物件情報を公開していく事で提携した。
NARは、97年中にも会員が持つ150万物件のすべてをインターネットで公開し、97年3月から名称を変更したホームページ『Home Search』を会員の新しい広告メディアとして発展させていく方針だ。
2)不動産流通業界の対応
さて、わが国の不動産流通業界では、インターネットへの対応はどのように進んでいるのだろうか。
FRKやKRICの物件情報公開や会員支援の動きはすでに概略を見てきたが、こうした業界団体系の動きの一つとして、(社)東京都宅地建物取引業協会(会員=1万6,780名)の会員で構成する東京都不動産協同組合(組合員=1万738名)が97年度中に参加組合員の仲介する賃貸物件情報をホームページで一般に公開する予定で、システムの開発を急いでいる。
また、首都圏・関東、信越、東北、北海道の17都道県で構成する(財)東日本不動産流通機構も、98〜99年度にはインターネットによる情報事業に乗り出す方針である。
ここでは、不動産流通業界の動きを概観してみよう。
- 不動産流通業者の対応
- 住宅・不動産業(およびその関連分野)によるホームページ開設の中で、不動産流通業者の占める割合は、かなり高いものがある。不動産流通業という業態は、主として新聞折り込みなどのチラシ営業を行っているところが多く、ホームページによる物件情報の公開は費用も安くチラシ広告と同等の効果が見込めるという期待があるからであろう。
- 97年2〜3月の賃貸仲介トップシーズンには、『JSBキャンパス』など学生の新入学などに合わせて賃貸情報専門のページを開設したところが全国で20〜30社にのぼり、ホームページ閲覧アクセスからの成約が20%前後にのぼる成果をあげたところもあった。
- しかし企業単独の開設ページは、ホームページの乱立が続く中でアクセス数の増加が見込めなくなっているのが現状であり、今後は単独ページが連合したり、業界団体が開設するページのリンクに組み入れてもらうなどの工夫が必要になってくるであろう。
- 住宅・不動産の連合物件情報
- 住宅・不動産の連合物件情報ページは、関西・中部圏の中堅どころが連合した『MaREIS』など主なものをあげると全国で30〜40にのぼる。その運営主体は不動産会社、コンピュータ会社、ソフト会社、インターネットビジネスとして新しく挑戦しているところなどさまざまである。
- 情報公開の方法は、『ボン・スマイル』(すまいる住新所沢が運営)の代表例に見られるように、不動産会社に情報を登録してもらい、その情報をコンピュータのサーチエンジン(検索システム)で地域・種類・価格体別などに分類し、帯情報および詳細情報(外観写真や地図、間取図付きのものもある)として一般ユーザーに提供するものである。
- アメリカで急成長してきた『RENT.NET』など“巨大な物件情報ページ”は、こうした連合物件情報が発展してきたものである。
- 住宅情報誌による情報公開
- 住宅情報誌各社による情報公開は、『住宅情報ON the NET』(リクルート)など6〜7社にのぼる。情報公開の方法は、前記した「住宅・不動産の連合物件情報ページ」と同じである。
- こうした“情報誌各社のホームページ”へのアクセス数は、“連合物件情報ページ”のアクセス数が月間1万〜10万件前後であるのに対し、同じく10万〜50万件にものぼっている。また、賃貸情報の専門ページでは、登録会社の月間全成約数のうちホームページを通じた成約が15〜20%前後にのぼるところも登場してきている。
- 宅建業協会の対応
- わが国最大の不動産業界団体であり、全米リアルター協会と類似した組織形態をとっている(社)全国宅地建物取引業協会連合会(会員数=約11万5,000人)傘下の各都道府県宅建業協会では、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、和歌山県、兵庫県、香川県などの各協会およびその支部がホームページを開設している。
- 提供している情報は、今のところ協会のPRを中心にユーザーの啓蒙を図ったり相談業務の案内を行っているものが多いが、(社) 大阪府宅地建物取引業協会では各支部の不動産センターを地図入りで案内、同協会の堺市支 部では会員の物件(詳細)情報の公開に踏み切った。
- また、同協会の大東四条畷支部は、宅建業協会・支部の中ではまっ先にホームページを開設して全国のモデルケースになってきたが、会員業者180社の名簿を公開するとともに、ホームページ開設の会員にリンクを張って、会員の営業支援を強化している。
(3)マルチメディア対応マンション不動産業のインターネット対応戦略は、情報を公開するというソフト面から見るとおおよそ以上のようにまとめられるが、来たるべきマルチメディア時代に向けて、建物の情報インフラ整備を進めていこうとする動きも始まっている。
ここでは、マンションを中心にしたマルチメディア対応の現状を見ていく事にしよう。
1)対応マンションの建設
建物にISDN回線を引き込んだり、マンション内に独自のサーバーを設置して生活関連や地域情報のサービスを行うなど、マルチメディア対応マンションが建設され始めたのは96年からであるが、現在ホームページから覗けるマルチメディア対応マンションの現状は次のようになっている。
- 日本新都市開発/エステガーデンセンター 北=港北ニュータウン内に建設中の分譲マンション(320戸)で、従来の電話回線に加えてISDN回線の引き込みが可能。ニュータウン内のCATVシステムも導入している。
- M.Cグループ=96年6月に、わが国で初のインターネットマンションを発売。ホームページで、「インターネットマンション」を詳しく説明している。
- 豊田通商/AXIA=インターネット&マルチメディア対応で、インターネットを使い放題のマンションを紹介している。
- Home's Home Page(日本経済広告社)=「マルチメディアマンション」のコーナーでは、住友商事・第一交通産業(北九州市)による初のマルチメディア対応マンションを紹介。
- 共立メンテナンス=学生寮にインターネットを標準装備してリニューアル。
2)情報インフラの整備
一例をあげると、長谷工コーポレーションでは、集合住宅向けの「マルチメディア配線システム」を開発し、一般ユーザーや事業主の新しいニーズに応えようとしている。
同システムは、次のような特徴を持っている。
- ユーザー自身が希望する情報サービス・機能を選択できるシステムである。
- 将来、集合住宅の管理組合が新たなメディアを導入する場合は、「マルチメディアボックス」の機能変更などで対応ができる。
- 「情報分電盤」と各居室に設置した「情報コンセント(電源コンセントとテレビ用・電話用の端子を一つにまとめたもの)によって、さまざまな利用形態に対応する事ができる。
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