| FDJ社のインターネット戦略/市場改革に挑む |
| 『REI Network』(会社訪問/第4回) |
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インターネットをよく利用されている方であれば「FDJ/不動産情報パノラマ」というホームページに聞き覚えがあるかもしれません。 |
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<インタビューの主な内容> |
| (1) FDJ社設立の意図と業務内容 |
| (2) 住宅・不動産業界/インターネット活用の変容 |
| (3) ホームぺージ「FDJ/不動産情報パノラマ」の編集・運営方法 |
| (4) FDJ社のインターネット戦略 |
(株)不動産データ&ジャーナル社が、99年4月発行の
(財)日本不動産研究所の所内報『REI Network』(会社訪問/第4回)で、以下のように紹介されました。
―20年近く「不動産経済研究所」で記者をなされていたそうですが、なぜ浅見社長は研究所を辞めてFDJ社を設立しようとお考えになったのでしょうか?―
当時の業界専門の新聞は、記者としての素質を十分に備えている人が少なく、アメリカの専門紙などと比べて紙面のレベルも低かったのです。また、メディアの形態としては(1)ブランケットの新聞(2)通信という日刊系の情報(3)月刊の雑誌−という3つが主なものでした。"今後このような形態のメディアでは読みにくいものになってくる。自前で加工したデータを読者に提供するには限界がある"と考えていました。 そこで、次のような形態を開発しました。そして、この新しいメディア形態は、業界に強いインパクトを与えたのです。
―主な業務内容をお伺いしたいのですが?― 主な業務内容は、次のようになります。現在の主な収益源は、『不動産・住宅ジャーナル』の購読料収入と「セミナー」の受講料収入です。
―住宅・不動産業界におけるインターネットの活用状況は、どのように変化してきたのでしょうか?― 「住宅・不動産業界におけるインターネット利用の流れを簡単にまとめますと、次のようになるでしょう。 第1期:1996年〜1997年まで 第3期への変化要因としては、インターネットを取り囲む環境が全体として成熟してきたことや「Windows95」が発売されてから数年経ち、インターネットを使いこなせるユーザーが急増してきたということなどがあると思います。98年秋頃から、各社のホームページへのアクセス数も急激に増加しています。 このように新しいユーザーが増えてきたということは、従来のホームページの価値観(速い・見栄えがいいなど)というものが崩れてきていて、いかにコミュニケーションを図れるかという事が大事になってくる時代に入りつつあると言えるでしょう。今後は、アクセス数よりも密度の濃いコミュニケーションをいかに確保するかが重要なポイントになってくると思います。 ―FDJ社のホームページで公開している「住宅・不動産業ニュース」99年1月特別号で“ポータル戦争に突入したホームページ”という衝撃的なタイトルのレポートがありましたが、これはどういうことですか― 詳しくは、ホームページ(http://www.fdj.com/)を読んでいただくことにして、ここでは要点のみお話しします。 1999年に入って、住宅・不動産業界におけるインターネットの活用はさらに新しい段階に入ってきています。新しい段階に入ったというのは、住宅・不動産業の営業を支援する大掛かりな仕組みが大手の情報サイトによって開発され、物件情報や住宅のカタログ情報がユーザーに1カ所からまとめて提供されるようになってきたということです。 次に示す2例が代表的なものです。
こうした動きの背景には、情報サイト各社が「ポータル」(入口、玄関を意味する)ページを競って強化していることがあり、住宅・不動産業各社はここに情報を提供すれば、想像をこえる単位のアクセスを稼げるようになってきたことがあります。これは、わが国の"住宅探し"がホームぺージ時代に移行する前兆を示しているものでしょう。 私の考えでは、インターネット業界の最前線では、98年秋からポータルぺージをめぐる熾烈な戦いが繰り広げられており、(株)リクルートの「ISIZE」はこのポータル戦争で、最右翼に立とうとしています。「ISIZE」が、今後のポータル戦争を有利に展開していくのではないかと見られる最大のポイントは、キャッチフレーズでも"暮らし情報マッチングサービス"と謳っているように、あらゆる生活場面に必要な情報を豊富に提供している点にあります。 ―住宅・不動産業界ではインターネットを営業促進ツールとして利用するための挑戦が急速に進んでいるとのことですが、実際にはどれくらいの効果がでているのでしょうか?― インターネットが最も普及しているアメリカでは、数年前から車や株式がネットワークで取り引きされ、その割合は全取引の20〜30%といわれています。不動産のインターネットによるホームページを窓口にしたアメリカの成約の実績をいいますと、大体次のようになっています。
一方、日本での実態については、その数字が把握し切れていませんが、各社とも公開している物件情報などへのメールによる問い合わせの急増とそれをきっかけにして成約に結びつくケースが増えてきています。 日本の住宅・不動産業界では、仲介業やマンション分譲業の場合で、ホームページへの全アクセス数に対しておよそ10%の割合でメール受付が発生し、メール受付数の約10%が成約に結びつく(98年秋〜99年春の状況)というのが現状のようです。 ホームページによる新築マンションの成約実績について(株)大京の事例を紹介します。 また一般的に言って、新聞広告などの従来のメディアを通じて直接来店する顧客とメールでアクセスしてくる顧客の比較をすると、成約までに要する時間はメールでアクセスしてくる顧客の方が直接来店組よりおよそ半分のスピードになっています。
―「FDJ/不動産情報パノラマ」を立ち上げられた経緯を教えてください― 1995年の9月に初めてインターネットにふれる機会があり、私は限りない衝撃を受けました。"これは蒸気機関車や輪転機の発明を上まわる社会変化が起こるのではないか"と直感的に思いました。そして、この分野で私が会社の創業時に目指そうとした新しいメディアの形態を加速的に実現できると思い、一気にインターネットに傾斜しました。 そこで会社の経理に無理を言って、金庫から40万円を持ち出し、その金額で購入できる最高のパソコンを私にインターネットを伝授した友人に手作りで組み立ててもらいました(当時、メーカー製パソコンでは40万円ではあまりいいものは購入できませんでした)。プロバイダも国内では料金が高く、回線速度も遅かったので、アメリカのアリゾナ州にあるプロバイダと契約しました。 そして、初期対応の環境ができると社内にインターネット事業室を設立し、私と女子社員1名の体制でスタートしました。コンテンツは私が作成し、女子社員がHTMLを書いて、1995年12月に当社のホームページをプロトタイプとして開設しました。 ―ホームページの更新方法とこれまでの歩みについてお聞かせ下さい― 現在の主なホームページの編集・更新作業は次のようになっています。 コンテンツは私が考え、更新作業自体は外注しています。更新時期は月単位で行いますが、必要に応じて適宜更新しています。
FDJ社ホームページの歩み
―今後のFDJ社のインターネット戦略をお聞かせください― 住宅・不動産業界最大の関連団体連合リンク集「飛び太郎」を1999年2月に立ち上げました。この業界向けに便利なリンク集を作成したことは、単なるボランティアに見えるかもしれません。しかし、私の狙いは“このリンク集に利用者が集まることで、ホームページ訪問者数を拡大し、新しいビジネスのための土壌をつくる”ということにあります。 「FDJ社/メールMAGAZINE」は、1998年6月に開設しました。その内容は、住宅・不動産専門の情報誌となっています。不動産に関連する情報を豊富に提供する無料サービスですが、やはり仕掛けがあります。FDJ社のURLを掲載しておくことで、当社ホームページの閲覧者の増加にも寄与するようにしてあります。 メールマガジンの読者は、開設当初は順調に伸びてきましたが、現在は1,200人程度で伸び悩んでいます。 メールマガジンの購読者数の拡大はターゲットとする読者層をどこに置くかで増やすも増やさないも簡単にできますが、私は情報を発信することで「業界へインパクトを与えうる層」にターゲットを絞っています。そうしてみると、現在のこの業界におけるインターネットで積極的に情報を収集する顧客層の数は1,200人程度であると思われます。メールマガジンを発信する狙いはこれだけでありません。最近気づいたと言ったのが正直なところですが、ホームページ閲覧者をメールマガジンの読者に獲得することで、この意識の高い人たちを対象にしたタイムリーなアンケート調査が可能となります。つまり、インターネットを利用することにより読者とのインタラクティブ(双方向)なコミュニケーションが可能となり、これにより読者からの厚い信頼を得られるのです。 よくインターネットはつかみ所のないメディアであるといわれますが、きちっとコミュニケーションをとる方法論を確立していないためであって、時間はかかりますが仕組みづくりさえしっかりとしていれば、ユーザー(顧客)との有効なコミュニケーションツールとして手軽でスピーディーなツールとして利用できます。 そこで、「タイムリー・アンケート」というコーナーを4月から新設します。メールマガジンの読者を主な対象にして、いままで推測で出されていたもの(たとえば、金利が上昇したことにより住宅の売れ行きにどのような影響がでるかといったような事)をすぐにネット上でアンケートすることで、実際に現場で起こっている正確な情報をいち早く入手することができるようになります。将来的には、これを発展させて他機関や他社が行う各種のアンケートを集めた「アンケート連合Web」を作っていきたいと考えています。 最大・最速であるということがインターネットビジネスにおけるキーワードです。そして、立ち上がり時には、不眠不休の集中的な労力の投入も必要になります。インターネットに取り組んでからこれまでは収入も見込めず、ボランティア的な部分が多かったのですが、ようやく事業化の形が見えてきました。 ―インターネットを利用した事業として、 インターネットを事業化するにあたり中核として位置付けているのが、今年の4月からスタートする予定の「全国/家探し連合Webマガジン」という挑戦的な試みです。 今ある新聞社系やポータル系のWebサイトから不動産を探そうとすると非常に使いづらく、目的の情報に到達するのに時間がかかります。そこで、家さがしを懇切丁寧にサポートする全国民"御用達"のページを作成するのです。 このページでは、あえて個別企業の情報は載せずに「新聞社系」・「メディア系」・「協会・団体系」・「公団・公社系」などの物件情報を掲載している連合Webとします。 もちろん、(財)日本不動産研究所さんには、ご了解を得られれば、戦後から一貫してわが国の不動産価格のバロメーターとなってきた「全国市街地価格指数」などを<不動産マーケット情報>のコーナーに掲載させていただきたいと考えております。 個別の不動産会社については、有料でリンクを掲載していただきます。そのリンクを設定するための料金は決まっていませんが、月額何千円といった格安なものとして、現在のポータルサイトで採用されているようなバナー広告(例えば、○○サイトのバナー広告掲載料は月額180万円というような利用側企業の足もとを見たバブル的な価格の設定)と差別化を図ります。 いままでにはなかった家探し・物件情報検索のための総合案内版を作成することにより、YahooやExite、HomeNavi、HomeWebなどの不動産情報コーナーを設けているポータルサイトや物件コンテンツを公開している情報サイトに強いインパクトを与えることは間違いありません。これは、私の5年間にわたる試行錯誤の結果として生まれたアイディアなので"最大・最速・不眠不休"というインターネットビジネスに求められている秘訣に基づいて大切に育てていきたいと考えています。 また、リンクを張ったことによる効果を見えやすくするために「全国/家探し連合Webマガジン」からリンクを張っている企業サイトを見に行ったユーザー情報をその企業に提供することも考えています。 ―最後に、3月にリニューアルした当研究所のホームページに一言コメントをください― さっそく、浅見社長は机上のパソコンから当研究所のホームページを見られ、その第一声は "ホームページの読み込みが遅いですね。"でした。 そして、次のような感想を述べています。 "以前からしっかりした情報が載っているという印象を持っていました。" "特に、英文のページで日本のLandPriceを海外に向けて発信されていますが、これからはグローバル化時代ですから、こまめに更新していくといいと思います。英文でしっかりしたデータを掲載しているわけですから、海外サイトの検索エンジンに積極的に登録して、日本の不動産価格などを世界によく知ってもらうようにするといいでしょう。特にアメリカのサイトだけでなく、ヨーロッパやアジアのサイトへの登録も検討するといいのではないでしょうか!" ―長い時間、お話を伺わせていただいてありがとうございました。― |
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