・ <9>住宅・不動産業は2000年から“大変革時代”へ突入 ・
不動産業のインターネット活用/その変革シナリオ |
| (1) | 国民の1/3はインターネットで取引き |
| (2) | 情報は<提供>から<選択>の時代へ
●ユーザーはオープン市場に直接参加
●住宅ローンを自由に選択/米国「E-Loan」
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| (3) | サイトは<連携>から<大統合>へ
●ポータルにも“危機”がやってくる
●富士通の「1,000万人バーチャルCity構想」
●松下の「コンテンツ100億円買収計画」
●MSNと『Panasonic Hi-HO』の共同ポータルサイトが誕生
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| (4) | 物件情報コンテンツは一体誰のものか
●デジタル化された物件情報の権利の帰属は?
●米国では物件情報コンテンツの売買が行われた事も
●物件情報コンテンツを巡る闘いの行くえは?
●コンテンツ問題を考える視点とは
●“覇者”であるトヨタ自動車の姿勢
●積和不動産/『お部屋NAVI』を独自に強化・運営
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| (5) | 個人営業の領域が飛躍的に拡大
●積水ハウス/Web Office<TOKYO/TX>
●N不動産の渡辺太郎(ホームページでは実名)が行く!
●就職難時代の新風/パソコンを駆使する営業マン制度
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| (6) | 仲介手数料/媒介契約制度問題も浮上してくる
●個人間取引は発生するか?
●個人の不動産売却支援サービス/米国では無数に登場
●コストダウンと仲介手数料の関係
●買主代理仲介は成立するか
●アットホーム(株)/「レシーズ・エージェント」サービスを開始
●現行の媒介契約制度は機能するか
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| (7) | What's New/衝撃的なアメリカの出来事
●不動産情報サイトが大連合/『Homestore.com』が誕生
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| <表F> | 〔1〕米国の不動産情報提供サイト/99年11月の現況
〔2〕『Homestore.com』に連結されたWebサイト
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インターネットの普及は、爆発的である。
日本インターネット協会( http://www.iaj.or.jp/ )の「99年インターネット白書」によると、99年2月現在の日本のインターネット人口は、1,508.5万人と確認されている。
同白書によれば、日本のインターネット人口が1,000万人(実数=1,000.7万人)を超えたのは98年2月の事であり、この間の1年間におよそ510万人の伸びをみせた。
また、99年6月に発表された郵政省の「通信白書」では、日本のインターネット人口は1,694万人に達したと言われている。
しかし、インターネットの利用が先行するアメリカのユーザー数と比較すると、実際は6分の1程度ということになるが、今後は日本でも、消費者の生活の中にインターネットが確実に浸透してくることになるだろう。
ここで、仮説を述べるならば、3年後の2003年頃には大まかに言って国民の1/3は何らかに形でインターネットを入口にした取引きを行なうようになり、5年後の2005年頃にはその割合が50%ぐらいまで上がって来る見通しだ。
それでは、不動産業および不動産市場は今後、インターネットの更なる発展と普及によって、どのような変革を迫られてくるのだろうか。
2000年から21世紀初頭にかけて生起するものとして予想される現実的な変化は、次のようにまとめられるだろう。
インターネットが普及して、日常の生活の中にまで浸透してくると、企業側からのコンシューマーに対する情報提供<B to C>も大きく変わってくる。
企業の活動を、営業・販売と言う側面から見た場合、これまではユーザーに対する情報提供は、広告が主流であった。
マンションの分譲を例にとるならば、不動産会社は新聞や専門情報誌で広告を行ない、各社ともそれへの反響をパンフレットの請求やモデルルームへの来訪と言う型で受け付けてきた。
また、仲介営業であれば、専門情報誌への物件掲載やチラシ配布などによって営業所への来店やオープンハウス現地への動員を図ってきたのである。
しかし、こうした情報提供では、ユーザーは新聞広告やチラシ、情報誌などを見て物件の比較検討ができるとは言っても、マーケット全体を見る事ができなかった。
●ユーザーはオープン市場に直接参加
それが、インターネットの普及によって、ユーザーはホームページ上に開設された市場にいつでも、どこからでも、誰でもが参加(検索・閲覧)できるようになり、情報は<企業による一方的な提供>から<ユーザーによって選択される>時代へと逆転しつつあるのである。
オープンになったマーケットの具体例を、3つ見ていく事にしよう。
△(社)不動産流通経営協会(FRK)/『HOMENAVI』(ホームナビ)
http://www.homenavi.or.jp/
| | ここでは、FRKが保有する全国主要都市の約40,000件の新築・中古の売買物件情報(一戸建て住宅、マンション、土地)が公開されている。 |
△東京都不動産協同組合/『Home Web』(ホームウエッブ)
http://www.homeweb.or.jp/
| | ここでは、組合員による東京一円の賃貸物件情報が公開されている。 |
△(社)日本高層住宅協会/『新築分譲マンション案内/MANSION FORECAST』
http://www.kjk.or.jp/
| | ここでは、会員会社による首都圏と関西圏の新築分譲マンション情報が公開されている。 |
●住宅ローンを自由に選択/米国「E-Loan」
▽E-LOAN, Inc.
http://www.e-loan.com/
アメリカの住宅ローン市場は、1兆3億ドルといわれ、オンライン住宅ローンは、まだ数パーセントにも満たないが、住宅ローンもオンラインで組めるようになっている。
インターネットの普及で、ユーザーの選択幅はあらゆる分野でますます拡大してくることになるが、オンライン住宅ローンの場合はこれはもう革命だ。
何故かと言えば、アメリカでは住宅ローンを借りる場合、政府や金融機関から直接借りるか、複数の銀行のローン商品を扱う住宅ローン仲介業者に依頼することになるのだが、これがかなり面倒な作業であった。
ところが、同社の仕組みでは、全米の金融機関トップ70社以上のデータから5万件以上のローン商品を検索する事が可能で、金利・返済予定などの条件比較やローン申請が、オンラインで簡単にできるようになったからだ。
『イーローン』では、消費者がローンの申込みをオンラインで申請すると、2日以内に書類が郵送されてくる。それに署名をし、必要書類とともに提出するだけで、手続きが完了する。
●ポータルにも“危機”がやってくる
不動産の情報サイトではいま、<3>分譲・仲介営業での活用/ポータルサイトが花開く――で見てきたように、
1, マイクロソフト社も 「住宅」 サイトを開設
2, コンテンツサイトはポータルを拡大へ
3, 多様化するコンテンツ+ポータルの提携
4, ポータルサイトは売買と賃貸情報を統合
と言った現象が目に付く。
それでは、こうした現象の次に何が起こるのだろうか。シナリオは、次のように進むとみてよいだろう。
▼2000年春頃まで
現在、強力な不動産・住宅物件情報検索の入り口を持っていない NTT DIRECTORY( http://navi.ocn.ne.jp/ )やBIGLOBE( http://www.biglobe.ne.jp/ )、NETPLAZA( http://netplaza.biglobe.ne.jp/ )、フレッシュアイ( http://fresheye.toshiba.co.jp/ )などのポータルやサーチエンジン系のWebサイトが、99年冬から2000年春頃までには、物件コンテンツサイトとの連携をほぼ完了。どのサイトからでも、新規分譲、中古流通、賃貸入居などの情報が探せるようになる。
▼2000年春〜夏
そのようにして、家探しを行なう人たちの物件情報検索への入り口を押さえたポータルサイトは、2000年春〜夏にかけてはどのような展開を見せるのだろうか。
かなり現実的なものとして予想されるのは、そのポータル(各社のどこでもよい)を入り口にして家探しを行なう人たちが成約した場合に、業者側が得る手数料にポータルサイトがペイバックを求めてくる事態だ。
別の方法としては、売主直売のマーケットを創造し、そこに仲介会社が参加するという事なども現実のものになってくるだろう。
先行しているポータルサイトでは、すでにそのビジネスプランと徴収・課金の方法を固め、実施時期の測定に入っているようだ。
これは、対象が不動産業に限らず、今のところバナー広告と言うまだ未成熟な収入源に大きくを頼らざるを得ないポータルサイトにとって、今後は多大の収入が見込めるEC市場に進出する事が必然の課題になっているからである。
▼2000年秋頃から
しかし、そうしたポータルにも、2000年秋頃には“危機”がやってくる。これまでは、主として<B to B>のEC市場に目を向けていた家電各社が一般ユーザーに的を絞った巨大なECサイトをオープンさせてくるからだ。
家電各社の動きではいまのところ、富士通の「1,000万人City構想」や松下電器産業の「コンテンツ100億円買収計画」などが、明らかにされている。
そして、家電各社のECサイト構想は、ポータルサイトの計画に比べてはるかにスケールが大きいのが特徴だ。
そうした中で、現在はポータルサイトとの連携競争に入っている不動産物件情報のコンテンツサイトも2000年の秋口(早いものは春頃)には、家電各社のECサイトにも物件情報コンテンツを提供し、アクセスの獲得は“ポータル一強”の時期から多様な展開期へと位相を移す事になるだろう。
ここでは、次に富士通の「1,000万人City構想」と松下電器産業の「コンテンツ100億円買収計画」、それにポータルサイトと家電ECサイトの連合と言う新たな動きとして注目される「MSNと『Panasonic Hi-HO』の共同ポータルサイト誕生」のあらましを見ておくことにしよう。
●富士通の「1,000万人バーチャルCity構想」
http://www.fujitsu.co.jp/
富士通(東京都千代田区、秋草直之社長)とニフティ(株)(東京都品川区、渡辺武経社長)は、富士通が運営するインターネットサービス『InfoWeb(インフォウェブ)』( http://menu.infoweb.ne.jp/ )、ニフティ(株)が運営する総合オンライン情報サービス『ニフティサーブ』( http://www.nifty.ne.jp/ )を、『@nifty(アット・ニフティ)』ブランドとして、99年11月に統合した。
△@nifty http://www.nifty.com/
『InfoWeb』は、インターネットプロバイダーとして国内最大の62万会員、『ニフティサーブ』は、総合オンラインサービスとして国内最大の273万会員を持つ。両社の統合(富士通がニフティの株式を100%取得)で、335万会員(99年10月現在、350万会員)を有するメガ・プロバイダーサービス『@nifty』が誕生した事になる。
今後5年で、1,000万会員を目指し、「コンシューマー向けの1,000万人バーチャルCity」(秋草直之社長)として育てていく方針である。
今回の『InfoWeb』と『ニフティサーブ』のサービス統合は、富士通のインターネットビジネスの一環で、今後、富士通とニフティ(株)は、『@nifty』をコンシューマー向けのサービスインフラと位置づけ、パートナー企業に向けて、グローバルパートナーとの提携・グローバル市場での新ビジネスも視野に入れ、ネットワークを活用した新しいビジネスの「場」(国内最大会員ベースに向けたECポータルサービス、パートナー企業に対するコマース事業展開の支援など)を提供していく。
●松下の「コンテンツ100億円買収計画」
http://www.panasonic.co.jp/panasonic-j.html
松下電器産業は、同社の先進デジタル技術・映像技術を活用して、コンテンツ・サービスの制作から、その配信サポート、また顧客情報の管理・フィードバックまでを含む双方向サービス事業を総合的に行う、パナソニック デジタル ネットワークサーブ(株)(Panasonic Digital NetworkServe Inc. 以下、PDN)を99年9月1日に設立した。
これにともない松下電器では、99年3月期までの6カ月間に、住宅や不動産の物件情報コンテンツや不動産取引きの知識などを提供するコンテンツを含めてコンテンツの100億円買収計画を進めている。
インターネットを取り巻く環境は、現在のCSデジタル放送に加え、今後スタートするBSデジタル放送、地上波デジタル放送、さらにはインターネットの高速化、移動体通信の広帯域化など、本格的なデジタルネットワーク時代が到来しようとしている。
そして、これらのデジタルネットワークインフラと、パソコンや携帯電話、デジタルTVなどの進化により、電子ショッピングや、音楽の電子配信、さらには視聴者参加型のTV番組やインタラクティブな広告など、様々な双方向サービスが可能になってくる。
新会社 PDNは、2000年から始まるBSデジタル放送におけるデジタル映像とデータ同時放送による双方向サービスに焦点をあてながら、将来の移動体通信、インターネットなどを含めたメディア横断型の複合的なサービスも視野に入れ、放送局や通信会社、コンテンツ・サービス会社とともに、デジタルコンテンツの制作、サービスシステムの構築、新しいビジネスの仕組みなどを実現して行く。
また、これにあわせて、松下電器産業のインターネットサービスである『Panasonic Hi-HO』( http://home.hi-ho.ne.jp/ )も活用し、課金・顧客情報の管理、フィードバック業務もサポートする。
●MSNと『Panasonic Hi-HO』の共同ポータルサイトが誕生
http://hi-ho.msn.com/
『Panasonic Hi-HO』は、現在のところショッピングを中心にした小ぶりのポータルサイトだが、99年10月からMSN=マイクロソフト(株)(本社・東京都渋谷区、成毛 真社長)との共同ポータルサイト『Hi-HO powered by MSN』を立ち上げ、家電企業の今後のインターネット戦略がヴェールを脱いだものとして注目を集めた。
これは、マイクロソフトの電子商取引・インターネット戦略と松下電器のインターネット事業戦略を具現化するための共同ポータルサイトであり、それぞれのコンテンツおよびテクノロジーを持ち寄って構築される。
●デジタル化された物件情報の権利の帰属は?
インターネット(ホームページ)を利用した一般ユーザーへの物件情報の公開・提供は、WWWサーバーの閲覧・検索機能を使って、基本的には現在次の3通りで行われようとしている。
| 1, |
自社のホームページ(物件情報検索エンジンの搭載あるは外部サーバーを利用した検索コーナーの開設が一般的になっている)。 |
| 2, |
物件情報の連合サイトやポータルサイト(詳細は、<3>分譲・仲介営業での活用/ポータルサイトが花開く――を参照)。 |
| 3, |
共同ポータルサイト(EC市場/今後の展開) |
そして、インターネットによる物件情報の提供が、旧来のメディア(新聞や折り込みチラシ、専門情報誌など)と大きく違うのは、デジタル化された情報がネット上で物理的には自由に行き交い、ユーザーの眼前のパソコン画面でサマリー(帯・棒情報)や詳細情報がリクエストによって自動生成される(結果をプリントすることもできる)事である。
売買の物件(情報)が、ユーザーの眼にふれるまでの流れは、模式化すると次のようになる。
| 1, |
ユーザー(売主)から不動産会社への売却依頼 |
| 2, |
売却依頼物件の不動産会社による調査と価格査定 |
| 3, |
商品化(写真撮影など)と店頭公開/情報のデジタル化によるレインズへの登録 |
| 4, |
雑誌やチラシなどによる広告展開(印刷物) |
| 5, |
情報のデジタル化による自社ホームページへの掲載 |
| 6, |
情報のデジタル化による連合サイトやポータルサイトへのコンテンツ提供 |
| 7, |
共同ポータル・ECサイトによる情報の統合 |
そうした状況にあっても、物件の所有権が売主にあるのは当然であり、売却依頼を受けた不動産会社はその物件の売買成約に向けて奔走する義務を負う事になるのだが、不動産会社による営業活動と広告展開が<商品化(写真撮影など)と店頭公開>、<情報のデジタル化によるレインズへの登録>、<雑誌やチラシなどによる広告展開(印刷物)>と言う“自己完結型”のうちはよかったが、インターネットを利用した物件情報の公開と営業活動が進んでくると、デジタル化された物件情報の権利はどの時点で誰に帰属するのかと言う問題が引き起こされないとも限らないのである。
●米国では物件情報コンテンツの売買が行われた事も
ここで、杞憂に終わるかもしれない心配をするのは、日本よりも2〜3年早く不動産業界の<情報のデジタル化による自社ホームページへの掲載>、<情報のデジタル化による連合サイトやポータルサイトへのコンテンツ提供>、<共同ポータル・ECサイトによる情報の統合>などが進展した米国では、その草創期において実際に物件情報コンテンツの売買が行われた事があるからだ。
全米リアルターズ協会(NAR)が独自なホームページ開設によって、会員の物件情報を公開したのが1995年11月。これを前後する2年間ほど、アメリカでは様々なサイトによって物件情報の獲得競争が熾烈に展開された。
当時は、ホームページ閲覧でもっとも人気のあった不動産物件情報を多く集めれば集めるほど、そのサイトへのアクセスが増加し、そこで展開されるバナー広告などの値段を吊り上げる事ができると考えられていたからである。
そうした中で、アメリカでは全米リアルターズ協会(NAR)の各支部(当時約1,600〜1,800地区、76万会員)で会員間の情報交換組織であるMLS(Multiple Listing Service)への登録用にデジタル化されていた物件情報コンテンツが売買の対象にされたのだ。
値段は、1物件10セントから1ドル前後までだったと言われている。
●物件情報コンテンツを巡る闘いの行くえは?
ところで、Microsoft社は98年7月に『HomeAdvisor』( http://homeadvisor.msn.com/ns/ )と言う名称の不動産物件情報検索サイトを立ち上げているが、その構想を「Boardwalk」というコードネームで固めていた97年末の段階では、物件情報のコンテンツをどこに求めるかが大きな悩みだった。
考え方が、2つあった。
<個人の不動産売却を支援しようではないか>
1つは、Microsoft社が不動産の新しい市場をインターネットの上に開設するのであれば、売主と買主を直結したものにしたい。その場合には、物件情報のコンテンツは、売主直売=『For Sale By Owner's』(FSBO)に求め、個人の不動産売却を支援するという性格のサイトになるだろう――と言うもの。
これは、ビル・ゲイツ氏の発想に基づくものであり、「マイクロソフトが不動産情報サイトを開設すると、全米のリアルターは2/3が不要になるだろう」としばしば繰り返された同氏の無防備な発言は、全米のリアルターたちに大きな恐怖と不安を与える事になった。
<先にコンテンツを集めるべきではないか>
2つ目は、しかし短期間にたくさんの物件情報コンテンツを集め、マーケットでの競争を有利に進めて行くためには、すでに商品化されたコンテンツを手に入れる必要があるのではないか――と言うもの。
そこで、目につけられたのが、全米リアルターズ協会(NAR)の全米各地区支部がMLSに登録し、NARのホームページ『REALTOR.com』(95年11月に2.8万物件を掲載して『HomeSearch』の名称でスタート)で一般へ公開しているデジタル化されたデータ(97年末で102.4万件にのぼっていた)であった。
<結論はどうなったか>
それでは、併存していた2つの考え方の結論は、どうなったのだろうか。
Microsoft社は、結局のところ、『HomeAdvisor』の立ち上げに当たって、NARの保有するデジタル化された物件情報コンテンツの収集(買収)に走っている。
不動産物件情報検索サイトの立ち上げを検討していたプロジェクトのコードネームが「Boardwalk」(board= NARの地区支部)とされていたのを見ると、チームの内部では、ビル・ゲイツ氏の理想論より、現実論の方が最初から勝っていたのかもしれない。
そして、NARからコンテンツの提供(買収)を受ける方針を打ち出したMicrosoft社は、戦いの場を外部に移していく。
Microsoft社は、NARの地区支部などから立ち上げ時に30万件のコンテンツの提供を受けているが、ここに立ちはだかってきたのが、一時ダウンした『REALTOR.com』に外部資本を導入するなどしてカンフル剤をうち再建を図るとともに、その運営と技術サポートを97年1月から担当してきたRealSelect社である。
<参考> NARのホームページを覗く
http://www.fdj.com/f-news/f9703.html
RealSelect社は、NARのMLS委員会に対してコンテンツの使用料金を払い,独占掲載の契約を結ぶようにせまったのだ。
これに対し、Microsoft社は同じ金額を支払うと申し出ているものの、独占的な取引きは要求していない。
Microsoft社およびRealSelect社と全米リアルターズ協会のMLS委員会との間で、物件情報掲載の方針をめぐって交わされてきた交渉内容の結果については、その後のニュースが伝わってこないのが残念である。
しかし、Prudential、RE/MAX(急成長中の不動産フランチャイズ)、 Better Homes and Gardensなど大手不動産会社のトップはMicrosoft社の主張に同意し、自由なマーケットが必要だと言っているようだ。
●コンテンツ問題を考える視点とは
急速なテンポでアメリカを追走している日本のインターネット環境の中で、物件情報のコンテンツ問題を考える時、3つの視点が浮かんでくる。
1つは、これまで述べてきたような<物件情報のコンテンツは一体誰のものか>と言う基本的な問題である。これについては広汎な論議を待ちたいが、その権利は、売主から売却を依頼され、調査と価格査定を行なった上でその物件情報をデジタル化して保有する不動産会社に帰属すると見るのが妥当であろう。
しかし、アメリカのようにそのコンテンツがたとえ10セントであったとしても、売買され、最悪のケースとして該当物件が成約に至らなかった場合など、どのように対処したらよいのだろうか。
2つ目は、物件情報のコンテンツ提供を不動産会社あるいは不動産業界から受ける連合サイトやポータルサイト側の考え方の問題である。
物件情報のコンテンツは、あくまでも不動産会社あるいは不動産業界側から提供されるのだと言う“サイトが成り立つ基本構造”を忘れてはならないだろう。
ポータルサイトに掲載されたデータを「うちの○○万件にのぼる物件」などという失言にも似た言い方は、今後二度としないようにしようではありませんか。
3つ目は、今後発展してくる共同ポータルやECサイトなどに物件情報コンテンツを提供する不動産会社あるいは不動産業界側の姿勢をどうするかと言った問題である。
論議を先走り過ぎるのかも知れないが、ポータルサイトやECサイトは近い将来に必ず不動産取引きにおいても取引き額か手数料に対して、そのサイトから発生したユーザーの成約に対して業界側に“成功報酬”を求める仕組みを仕掛けて来る事になるだろう。
こうした想定を前提にするならば、不動産業界側は“自らの命”である物件情報コンテンツを無条件でポータルサイトやECサイトに引き渡してはならないのである。
●“覇者”であるトヨタ自動車の姿勢
http://www.toyota.co.jp/index-n.html
日本の自動車業界の“覇者”であるトヨタ自動車 は、いまのところ(99年10月現在)、自社ページによる<全国販売店によるオンライン見積サービス>は実施しているものの、インターネットを利用した自動車販売の仲介サービスを実施に移そうとしている「オートバイテル・ジャパン」(99年11月からサービスを開始)やカーポイント(株)(やはり、99年11月からサービスを開始)への参加は表明していない。
不動産業界も、あらゆる事態に備えられるよう、物件情報サイトの構築は自分たちで強化して行くべきであろう。
そうした視点に立つ時、不動産業各社の物件情報コンテンツがすでにデジタルデータとして蓄積され、日々更新されているレインズ(全国4地区の不動産流通機構)は大きな存在価値を持ってくるが、ここでは民間企業として物件情報コンテンツサイトを強化・運営している例を1社だけあげてみよう。
●積和不動産/『お部屋NAVI』を独自に強化・運営
http://www.sekiwa.co.jp/navi/INDEX.HTML
積水ハウスグループの積和不動産は、探している部屋が写真と間取り図付きで瞬時に見つかる「MVP」システムを利用した首都圏賃貸情報『お部屋NAVI』を独自に強化・運営。データは毎日更新している。
検索手順、次のように進む。
▽探したい方面の地図をクリックして沿線一覧を表示、▽条件(最寄駅・家賃・交通・築年数・構造・占有面積・間取り・建物種別)を指定して検索開始! ▽検索結果一覧から、参照したい物件を選択して詳細な情報を表示、▽物件の問い合わせ先情報も参照する事ができる。
インターネットの利用によって、不動産業(物件情報など)の情報公開が進むと、個人営業の領域が急速に拡大してくる。
アメリカにおいては、「Sales Associate」(セールス・アソシエイツ)と呼ばれる仲介営業担当者(女性が6割を超えている)が「Broker」(ブローカー)と呼ばれる仲介オフィスを舞台にコミッションで営業を展開していることもあって、SOHO的な在宅勤務(電子メールの普及がこれを加速度的に進めた)が多いが、日本でも“在宅型営業”の土壌がしだいに形成されつつある。
ここでは、ユニークな個人営業形態を導入している積水ハウスのWeb Office<TOKYO/TX>をはじめとした3例を新しい動向としてピックアップしてみよう。
●積水ハウス /Web Office<TOKYO/TX>
http://www1e.mesh.ne.jp/sekisuihouse-tokyo/
積水ハウス(東京営業本部)は、<住まいづくり実例集>として、次のようなキャッチフレーズで、Web Office<TOKYO/TX>を開設している。
<いい家づくりは施主の方と住宅メーカーのいいパートナーシップが基本。積水ハウスの営業・設計マンが手がけた実例と本人のプロフィールから、あなたの夢を実現するベストパートナーをお選びください>
これは、東京圏内を中心に、同社が手がけ実際に竣工された様々な家づくりの実例を、多彩な資料と豊富な写真で立体的に紹介。住まいづくりの参考になるアイディアを載せているもの。
ここでは、当初の夢や条件、竣工して実際に暮らしてみて気づいたこと・感じたこと、どんな工夫やアイディアで施主の希望を最大限実現していったのかなど、施主や担当営業・設計の生の声が聞ける。
そして、ユーザーは、ホームページの上で公開された営業・設計マンが手がけた実例と本人のプロフィールから、自分にあった担当者を自由に選択できるのだ。
つまり、住宅営業の現場では、ホームページの上で営業所や展示場でなく営業マン個人が前面に出てユーザーとパーソナルなコミュニケーションを図る一方で、ユーザーから営業マンが選択されると言う時代に入りつつあるのである。
●N不動産の渡辺太郎(ホームページでは実名)が行く!
http://www.prs-net.com/nabe/
このページは、<買いたい!売りたい! 不動産の事なら何でも渡辺太郎にお任せ下さい!>として、N不動産池袋支店の渡辺太郎氏(ホームページでは実名)が顔写真入りの自己紹介とともに担当の物件情報や売却・買換え相談、不動産豆知識など不動産に関する情報を掲載。
このうち、<来て!見て!さわって!>のオープンハウス案内では、日時を決めたものと来訪日を相談して決めるものとがあり、いずれも『渡辺太郎より一言』のガイド付き。
メールでの『買換え・売却相談』も受け付けている。
●就職難時代の新風/パソコンを駆使する営業マン制度
http://www.tokai.or.jp/jjk/
<不動産業界の「歩合制営業マン」を>
不動産業を開業するには営業保証金など多額の資金が必要で、宅建業法で無免許営業は厳しく禁じられている。
そこで、住宅情報協会(JJK)(静岡市、代表=伊藤公芳氏、関東・中部地方の都市近郊、農村部、山間部の3,000万円以下の住宅物件情報を集めたホームページ『あなただけの新鮮住宅情報』を運営中)は、契約で不動産会社に籍を置き、会社に拘束されず営業をして、物件売買で得た手数料を会社と半分ずつ分け合う制度を提案。
提案の内容は、次のようになっている
<パソコンで武装した新しい営業マン>
| 1, |
JJKから所定の教育(無料・通信教育)を受けた後、簡単な試験に合格すれば、JJKから「契約する会員社」の紹介を受けられる。 |
| 2, |
契約した会社の売り物件のうち、許可を得たものをすべてデータ入力し、JJKのホームページ、メールマガジンに情報掲載。取扱い社はその会社になるが、担当者として貴方の名前、電子メールアドレス、電話番号を記載。つまり、貴方がすべて問い合わせの窓口となる。 |
| 3, |
成約になれば、会社の取引主任らが立会い、契約の詰めと金銭の授受を行なう。責任ある営業行為は会社の手で履行。この後、貴方は会社から手数料の支払いを受ける。 |
<最初に履歴書を提出>
この仕事に挑戦する人は、まずJJKに履歴書を郵送。書類審査にパスした人は、データ入力、ファイル保存、電子メール通信などの実技と不動産法の知識を通信講座(期間:早い人で1カ月、遅い人で2カ月)で受ける。
簡単なテストに合格した人には、JJKから「会員社」を紹介。自分で先に契約する会社を決めている人は、その会社に会員社になって貰う。
JJKは、この後、ホームページに「売り物件の相談ぺージ」などを設け、いろいろな形でチャレンジャーの営業を支援。
<応募資格>
関東(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)中部(愛知県、静岡県、岐阜県)に在住、
35歳以上の方で、この業務に専業で従事できる人。
パソコンのワープロ、電子メールが使え、自家用車を持つ方。
インターネットの普及によって、不動産取引の自由度が増してくると媒介契約制度や手数料などにも大きな変化が出てくる見通しだ。
ここでは、そうした変化予測を次の3点から検証してみよう。
| 1, |
仲介業者を通さない個人間取引の発生 |
| 2, |
これまでは物件情報の提供が主であった仲介会社に支払う仲介手数料のダンピング |
| 3, |
買主あるいは借主側に立ったBuyer's AgentあるいはLessee's Agentの発生 |
| 4, |
物件情報の流通機構への登録と媒介契約制度の再検討 |
●個人間取引は発生するか?
▽仲介業者を通さない個人間取引の発生
仲介業者を通さない個人間取引は、インターネットの普及とは関係なく、アメリカでは『For Sale By Owner's』(FSBO=売主直売)として常にマーケットの10%(市場がブームの時はそれを上回る)ぐらいの割合で発生している。
また、『ミニテル』(Minitel)というオンライン網が発達しているフランスでは、不動産取引も都市部ではこのデータベース(不動産業各社がオープンデータとして物件情報を公開している)を使って行われている。
しかし、住宅の購入者のおよそ半分がこのデータベースを使って家探しを行うものの、気に入った物件が見つかってからは、取引の完了処理を仲介会社に依頼してくるケースが90%にのぼると言う。
<注> フランスでは1980年代から、すでに電話回線を使ったオンライン情報サービスを開始。『ミニテル』(日本からもインターネットでアクセスできる)と呼ばれるこれらの端末機は、フレンチ・テレコムが開発し、フランス全土で約450万台が無料で配布されている。
▽ミニテル
http://www.x-media.co.jp/TRAVEL/TM/MUSEUM/BOOTH/5PA/PAtop70.html
以上の例から見て、売買仲介では仮に日本でインターネットの普及を背景に個人間取引が発生したとしても、最大値で10%前後にとどまるのではないだろうか。
だが、賃貸(住宅の入居客付け)仲介では、賢明なオーナーがホームページを使って自から客付け行為を展開する可能性が高く、その割合は10〜20%ぐらいになるかもしれないのである。
●個人の不動産売却支援サービス/米国では無数に登場
▽オーナーズ・ドット・コム(Owners.com)
http://www.owners.com/
しかし、アメリカではインターネットの普及にともなって、従来は不動産取引き全体の中で10〜20%(市場がブームの時はその割合が上昇。ブーム時はリアルターのサービスが悪化する一方で、オーナーは自分で買主を見つけやすくなるため)と言われていた『For Sale By Owner's』(FSBO=売主直売)が、急速な増加を見せている。
すでに、個人の不動産売却を支援するサイトが無数に登場しているが、ここでは代表例として『オーナーズ・ドット・コム』(Owners.com)の特徴を見ておこう。
同社は、元不動産業者2人の自己資本によって設立され、95年に発足。96年にウェブサイトを立ち上げ、99年から現社名に変更した。
売主直売の掲載物件数は、98年に10万件にのぼり、99年は累計で20万件を突破する見通しだ。
同社の主な収入源は、売主から徴収する物件掲載料で、その料金とサービスは次のようになっている。
| △ | プレミアムサービス
3カ月139ドルのプレミアムサービスでは、買い手の検索に対してその住宅を優先的に表示。「For Sale」看板、「オープンハウス」サインボード、売主のための「FSBOマニュアル」などの提供、Yahoo!での宣伝も含まれている。
|
| △ | スタンダード/無料サービス
89ドルのスタンダードサービス、1カ月の掲載無料サービスも実施している。 |
●コストダウンと仲介手数料の関係
▽これまでは物件情報の提供が主であった仲介会社に支払う仲介手数料のダンピング
仲介手数料のダンピングについては、第1に物件情報が一般に広く公開されてくると、その情報が不動産会社によって商品化され、デジタル化されてWebサイトに登録されたものであるにもかかわらず、ユーザーの間ではその行為と価値が正当に評価されなくなる傾向が深まってくる見通しである。
そして、現在の手数料は高すぎるという認識が一般的になってくる可能性もあるのだ。
だから、不動産会社は情報提供の主体がいつも自分であり、他の連合サイトやポータルに提供された物件情報の帰属は自分たちにあるのだという事を強く主張し、一般にもその認識をたえず訴えていく事が必要になるだろう。
仲介手数料のダンピングで問題になる第2の点は、仲介会社自らが割引サービスを行うケースである。この背景には、インターネットに情報を公開すれば、ユーザーが自分で家探しをしてくれるので、店頭での応接や現地案内の手間が省け、コストダウンできるという実態がある。
今後、賃貸(入居者客付け仲介)営業では、この割引サービスが急増してくる見通しだが、売買仲介でも購入・売却のインセンティブとして“インターネット閲覧者への手数料割引サービス”が流行ってくるかもしれない。
●買主代理仲介は成立するか
▽買主あるいは借主側に立ったBuyer's AgentあるいはLessee's Agentの発生
Buyer's AgentあるいはLessee's Agentの発生は、インターネットの普及によるものだけではなく、仲介依頼契約そのものに由来する部分も含んでいる。
この売主側あるいは借主側に立つという不動産仲介業のサービス形態は、1990年代の初期にアメリカで発生し、90年代の半ばから急速に普及・発展してきた。
アメリカでもそれまでは、仲介手数料を支払う売主側につく「Listing Agent=Seller's Agent」が主流であった。しかし、90年代に入ると「売主代理は、不動産取引において公正でない」という消費者運動の矢面に立たされたのである。
そして、これに対応した“Buyer's Agentムーブメント”が各州で起こり、「Buyer's Agency Law」の制定が10余州におよぶに至って、全米リアルターズ協会(NAR)も1996年から「Buyer's Agency」の支持に回ったのである。
<参考> Real Estate Agency Law and NAR's Position
http://207.138.16.11/AboutRS/AgencyLaw.asp
<参考> 米国で火を噴くEBA(買主専任契約)
http://www.fdj.com/f-news/f9611.html
これに対して、日本の仲介制度は売主と買主に対する「双方代理」をたて前としており、手数料も両者から半分ずつ受領する仕組みになっている。
しかし、インターネットの上で、ユーザーが物件情報(Listing)を自由に閲覧できるようになると、日本でも買主側に立って有利に売買交渉を進めるというBuyer's Agent=買主代理が登場してくる可能性が強いのである。
そして、日本でもすでに「Lessee's Agent」を組織的に推進するところがでてきた。
ここでは、アットホーム(株)が99年10月から導入した「Lessee's Agent」のあらましを見ておこう。
●アットホーム(株)/「レシーズ・エージェント」サービスを開始
http://www.athome.co.jp/
不動産総合情報サービスのアットホーム(株)(本社・東京都大田区、松村文衛社長)では、99年10月1日より同社が運営する不動産総合サイト『at home web』で、「レシーズ・エージェント(Lessee's Agent)」紹介サービスを開始した。
このサービスは、一般消費者がアットホーム(株)のサイト上で居住用物件(マンション、アパート、一戸建て住宅)を検索し、該当物件が他社による「客付け可」の物件(他の不動産会社が取り扱える物件)である場合、その物件を取り扱える入居希望者の近くにある同社のネットワーク加盟不動産会社(レシーズ・エージェント)を紹介するもの。
レシーズ・エージェントは、消費者からの問い合わせにスムーズに対応するため、オンラインサービスを利用して問合わせ物件の詳細確認をネット上で即座に行えるシステムになっている。
今回開始した「レシーズ・エージェント」紹介サービスは、スムーズな賃貸借契約支援を目指すもの。借主にとっても不動産会社にとっても、賃貸取引の円滑化、活性化につながるもので、不動産会社間情報流通サービスを基盤とする独自のサービスになっている。
当初は首都圏で開始し、順次サービスエリアを拡大していく予定である。
●現行の契約制度は機能するか
現行で、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3タイプが導入されている媒介契約制度は、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」においては、建設大臣が指定する不動産流通機構=REINS(全国4地区に整備されている不動産業者間の物件情報交換組織)に売主から依頼された物件の情報を登録し、広く買主を探索する事が義務付けられている。
そして、「専属専任媒介契約」は、媒介契約の依頼主(売主)が自ら買主を探し出した場合(これを、売主の自己発見取引と言う)には、不動産業者への仲介手数料を支払わなくてもよい−ものとして規定・運用されている。
こうした制度の下で、不動産取引きの自由度が増してくると、それぞれの契約依頼形態と物件情報の流通機構への登録義務はどのような影響を受ける事になるのだろうか。
第一に考えられるのは、広く買主を探索するため義務付けられている情報の公開が必ずしも指定流通機構への登録でなくてもよくなってくる事である。
インターネットの普及によって、より機能的な新しい流通市場が多層的に形成され始めている事は、すでに見てきた通りだ。
そして、第二に考えられるのは、これは個人間取引や買主代理仲介の趨勢とも大きく関係してくるのだが、売主が自己発見取引に走り始めるかもか知れない事だ。
これも、インターネットの普及によって、個人がホームページページを開設して自分の住宅を売りに出したり、個人間市場<C to C>のWebサイトで取引きを行なう事が、今後は極めて一般的になってくるからである。
<参考> (財)東日本不動産流通機構 媒介契約制度とは ?
http://www.reins.or.jp/tower/kikou4.html
| (7)What's New/衝撃的なアメリカの出来事 | |
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アメリカでは99年秋、日本の不動産物件情報サイトの今後の展開に大きな影響を及ぼすであろう衝撃的な出来事が発生した。
全米リアルターズ協会(NAR)、全米ホームビルダーズ協会(NAHB)、全米リモデリング産業協会(NARI)の情報サイトが統合され、協会系の巨大な情報ページが誕生したのである。
ここには、民間サイトの賃貸アパート情報の『SpringStreet.com』、リロケーションの『HomeFair.com』も参加。物件数は、『REALTOR.com』が中古130万戸、『HomeBuilder.com』が新築11万戸、『SpringStreet.com』が賃貸600万戸となっている。
●不動産情報サイトが大連合/『Homestore.com』が誕生
▽NAR(全米リアルターズ協会) http://www.realtor.com/
▽NAHB(全米ホームビルダーズ協会) http://www.homebuilder.com/
▽NARI(全米リモデリング産業協会) http://www.nari.org/
http://www.Remodel.com/default.asp?gate=homestore
▽『Homestore.com』 http://www.homestore.com/
▽リアルセレクト社(RealSelect, Inc.) http://www.realtor.com/AboutRS/default.asp#top
この巨大な物件情報量を誇る『Homestore.com』(ホームストアー・コム)と名づけられたサイトは、リアルセレクト社(RealSelect, Inc.)がNARの『REALTOR.com』とNAHBの『HomeBuilder.com』とを1社でサポートしていた事から、やはり同社のサポートを受けていたファミリーサイトとがジョイントする事で実現した。
『Homestore.com』(ホームストアー・コム)は、自ら賃貸アパート600万戸を掲載した『SpringStreet.com』を運営しており、これまでナンバーワンであった賃貸アパート情報の『Rent.Net's』(レントネット)をアクセス数で30%上回るまで急成長。米国の株式店頭公開市場「Nasdaq」(ナスダック)への上場を果たしている。
▽『Rent.Net's』(レントネット) http://www.rent.net/ctg/cgi-bin/RentNet/Home
前記した(3)サイトは<連携>から<統合>へ――で描いたシナリオをもう少し前に進めるならば、日本でも不動産情報サイトの大連合は必ず起こる現象であろう。
| <表F> | 〔1〕米国の不動産情報提供サイト/99年11月の現況
〔2〕『Homestore.com』に連結されたWebサイト |
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