FDJ/不動産情報パノラマ
住宅・不動産業ニュース

『不動産・住宅ジャーナル』特報
2000年10月16日発


建設省が否定、レインズ情報公開で法改正!
◎記事見出し◎
不動産情報60万件 ネットで検索可能に
購入の仲介料免除へ法改正 建設省方針

■建設省が否定した日経10月15日(日)付朝刊記事
■『不動産・住宅ジャーナル』編集長としての雑感
■報道に関する報告/建設省(不動産業関係団体宛/10月16日 FAX)
■業界4団体/『日経新聞』に記事訂正要求(10月26日追加)
■建設省/業界団体(全宅連)の問合せに回答(10月27日追加)
建設省が検討/業界が注目する Buyer's Agency 制度とは何か(10月30日追加)
●ご意見をお寄せください
 
<2001年/追加記事>
■レインズ一般公開絶対反対!のページを覗く(2月13日追加)
■センチュリー21/住通チェーンの2大FCが手数料の減額・自由化を予測(2月14日追加)
■全米リアルターズ協会(NAR)のインターネット開示政策(IDP)とは何か(2月15日追加)
 2002年1月にMLSデータをすべての利用希望者に開放!
 
<2002年/追加記事>
■国交省/不動産100万件の業界統合サイト(5月17日追加)
   日経新聞5月8日付 夕刊/一面記事
●ご意見をお寄せください
 


 
建設省が否定した日経10月15日(日)付朝刊記事
<引用は、『NIKKEI NET』による>


 日本経済新聞の10月15日(日)付朝刊に、次のような記事が載った。それぞれの立場の人たちが、それぞれびっくりしたに違いない。しかし、建設省は16日(月)午前中に、不動産業関係団体にFAX「報道に関する報告」を送り、以下の記事を否定している。

 ◎建設省は不動産仲介のルールを定めている宅地建物取引業法を2001年にも改正し、全国の不動産仲介業者がデータベースとして持つ不動産物件情報を消費者がインターネットで検索して、不動産の購入を交渉できるようにする。物件を探す際に仲介業者を経由しなくて済むため、買い手から徴収している仲介手数料(成約価格の3%に6万円を上乗せした額が上限)を免除する方向で調整する。仲介業者の経営に大きな影響を与えるのは必至だが、買い手にとっては不動産購入費用の軽減につながる。

 ◎現在の不動産売買では、宅建業法に基づき、買い手は物件を探した業者に、売り手は売却先を探した業者にそれぞれ仲介手数料(料金の上限は同額)を支払うことになっている。同じ業者が特定の物件について売り手と買い手を見付けた場合は、双方から手数料を受け取ることができる。

 ◎建設省はネットでの仲介が実現すれば、業者が売り手から手数料を徴収することを引き続き認めるものの、買い手からの手数料徴収については禁止する考え。3,000万円の物件の場合、売り手はこれまで通り最大96万円の手数料を仲介業者に支払う必要があるが、買い手は払わずに済むようになる。


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『不動産・住宅ジャーナル』編集長としての雑感
<果たして宅建業法の改正・施行はいつなのか>


 建設省の「報道に関する報告」は、(1)宅地建物取引業法の改正の要否やその時期まで方針が決定されたという事実はない(2)「買い手から徴収している媒介報酬(手数料)を免除する方向で調整する」という事実はない――というものだが、以下は、『不動産・住宅ジャーナル』編集長としての雑感である。

(1) 記事が事実(建設省は否定!)なら、建設省も大英断を下したものだ。客付け業者の多い中小の宅建業者から、猛烈な反対が起きないのだろうか。
(2) 大手にしても、片手の手数料でやっていけるのであろうか。
(3) アメリカでは現在、売主からの手数料6%をベースにWebリスティング市場がNAR(全米リアルターズ協会)によって運営されているが、日本での新しいマーケットはレインズによって運営されることになるのだろうか。
(4) それにしても、マーケットのメカニズム(自動調整機能)に任されるべき手数料のあり方を、「買い手から徴収している仲介手数料を免除する方向で調整する」という方針を行政が打ち出してよいものなのだろうか。
(5) レインズのデータベースと、これまでに民間会社が構築しているデータベースとの関係はどうなるのだろう。
(6) ところで 果たして宅建業法の改正・施行はいつになるのだろうか。


ブックレット<14>
『日米で同時進行/不動産流通のWeb革命を読む』



 
報道に関する報告
建設省 (不動産業関係団体宛/10月16日 FAX)


◎報道記事 平成12年10月15日付/「日本経済新聞」朝刊
◎記事見出し 不動産情報60万件 ネットで検索可能に
購入の仲介料免除へ法改正 建設省方針
◎担当局・課 建設経済局不動産業課/不動産市場整備室
◎報道概要/事実関係
(1) インターネット時代の不動産取引の在り方については、平成12年9月26日に「不動産業情報化促進検討委員会」を設けて来年度末に成果を得ることを目途に検討を開始したところ。 少なくとも来年度(2001)年度までは充分な検討を要すると考えられ、宅地建物取引業法の改正の要否やその時期まで方針が決定されたという事実はない。
(2) 媒介報酬(仲介手数料)について、宅地建物取引業法第46条につ基づき、建設大臣が定めること(告示)となっているが、現在では双方の依頼者から受け取る額の上限を定めているにすぎず、その範囲内において双方が契約で決定するもの(法律改正事項ではない)。この件については、検討会でも議論が行われておらず、「買い手から徴収している媒介報酬(仲介手数料)を免除する方向で調整する」という事実はない。
(3) 指定流通機構(レインズ)に登録されている物件数は、平成12年8月末時点で、全国266,420件。「全国で常時60万件以上ある」というのは誤り。 また、レインズは、宅建業法に基づき建設大臣の指定を受けた公益法人であるが、国からの出資はない。



 
業界4団体/『日経新聞』に記事訂正要求

10月15日1面の報道に対する抗議並びに記事訂正要求(全文)


平成12年10月25日

日本経済新聞社御中

 社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会
       会長 藤田 和夫

社団法人 不動産流通経営協会
       理事長 清水 隆雄

社団法人 全日本不動産協会
       理事長 中林 増美

社団法人 日本住宅建設産業協会
       理事長 木下 長志


10月15日1面の報道に対する抗議並びに記事訂正要求


貴紙は10月15日付け1面にて、
(1) 宅地建物取引業者間情報である建設大臣指定不動産流通機構の物件情報を消費者がインターネットで検索できるようにする。
(2) 公開によって一般ユーザーは買い手側の業者を介せずに情報を得ることが可能となるため、買い手側手数料を免除する方向で調整する。
(3) 上記について建設省は、2001年に宅地建物取引業法を改正する。
旨の報道を行った。



 この件について、建設省では事実無根と否定し、かつ訂正要求をした結果、10月19日5面にて再報道がなされたが、明確に前回報道を否定したものとは受け取れないだけではなく、手数料のあり方に関する不正確な報道を再度行っており、一般消費者も困惑するのみと考えられる。

 これら一連の報道、特に10月15日付け紙面に対しては、不動産業界団体においても全くの寝耳に水であり、宅地建物取引業者はもとより一般消費者からも問い合わせが相次ぐ状況が発生、とりわけ一般消費者からは事実確認と事実であれば買い控えたいとの申し出もあり、不動産営業にも多大な影響を及ぼすとともに、現在でも報道を信じている読者も多いと考えられることから今後の不動産流通の停滞も懸念される。

 日本経済は回復基調にあると言われつつも不透明な状況は否めない。政府も民需拡大による景気の自立的回復のために各種対策を行うとともに、住宅についてもローン減税等を導入し、投資拡大を図っているところである。この様な状況において、今回の報道は不動産業界の混乱を招き、さらには一般消費者の買い控え等不動産購買意欲にまで影響を及ぼしている。よって、ここに厳重に抗議を申し入れるとともに、記事の訂正を要求する。
以上 




◎不動産業4団体(全国宅地建物取引業協会連合会、不動産流通経営協会、全日本不動産協会、日本住宅建設産業協会)は10月25日、『日本経済新聞社』に対して、上記の抗議と記事訂正要求を行った。



 
建設省/業界関係団体(全宅連)の問合せ(照会)に回答


 建設省では、業界関係団体(全宅連)からの照会について、<不動産業情報化促進検討委員会について>というタイトルで、(財)不動産流通近代化センター内に設置されている「不動産業情報化促進検討委員会」の審議状況を報告している。

不動産業情報化促進検討委員会について


社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会のご指摘のとおり、報道の中で正確さを欠いた内容があり、 私どものところにも多数の事実確認や抗議をすべきとのお電話をいただきました。私どもとしては日本経済新聞社に対し報道の内容が事実と異なることを指摘し、記事の訂正を要求したところですが、未だに訂正記事が掲載されていないこと(『不動産データ&ジャーナル』編集部:注 10月19日に 関連記事が掲載されている)や正確な事実関係を知りたいとのご要望をいただいていますので、不動産業情報促進検討委員会においてどのような検討を行っているのか、手数料の取扱についてはどのように考えているかなどをお知らせしたいと思います。

建設省建設経済局不動産業課不動産市場整備室  


<委員会設置の背景>

 近年の急激なIT技術の発達により、不動産業においてもインターネット上での不動産物件広告や、インターネットオークションなどあらたな業務・業態が発生してきています。
 また、政府においても、IT化(情報化)を推進しているところであり、今後さらに急激にIT化が進むことが予想されます。
 しかしながら、不動産業界は事業者毎に情報化への対応には差があるのが実情であり、この問題をどのように考えるか、またIT化が進んだ場合に不動産業にどのような影響が生じるのかについては調査・検討されていません。
 このような問題は、いわゆるデジタルデバイド(情報対応格差の問題)の問題とのかねあいもあり、不動産業界の情報化を促進するとともに、情報化が進んだときに生じるであろう様々な課題についてあらかじめ検討するために委員会を設置しました。


<委員会における主な検討議題>

<9月26日の第1回委員会提出資料を掲出します。>

資料1/不動産業の情報化の検討について(案)

1.趣旨

 近年の情報技術の進化は驚異的な速さで進んでおり、数年前には考えられなかったようなことがインターネットを通じて可能となってきている。また、様々な可能性とともに商取引そのものが変化しつつある。
 不動産業界においても、不動産物件情報のインターネット上での公開やネットオークションなどの新たな手法が取り入れられているところではあるが、業者間のデジタルディバイドの存在や、新たな業態に対応していない法規制など不動産業界の情報化を進めるためには解決すべき課題は多い。
 これらの情報技術を活用した新たな業態に対応するための方策を検討することが本検討委員会の設立趣旨である。

2.検討課題

 検討課題としては以下の二つに大別される。

(1)インターネットを通じた不動産物件情報提供に伴う課題
1.インターネット時代におけるレインズの在り方
 不動産業者の中には、(社)不動産流通経営協会のホームナビなど独自でホームページを立ち上げ不動産物件情報を一般消費者に対し提供しているものも見られるが、多くの中小業者においては独自のホームページを立ち上げるまでには至っていない。一方、現在稼働中のレインズについては、業者間取引情報という枠組みを前提として構築されているところである。
 今後、このインターネット時代においてレインズの在り方をどのように位置付け、また多くの物件情報がインターネット上で提供されるにはどうすればよいかという点について検討する必要がある。

2.情報の適正性の確保の問題
 インターネットでの不動産物件情報は当然に広告であり、その表示項目等については今年6月に不動産公正取引協議会の「不動産の表示に関する公正競争規約」において定められたところではあるが、表示内容そのものが適正さの確保が重要な検討課題である。もちろん、既存の広告媒体を使った広告においても同様であるが、インターネット上の広告は業者自ら行うことができるものであることを踏まえ、自主規制ルールの導入など何らかの方法により広告の内容の適正さを確保するための対策について検討する必要がある。

3.売主のプライバシー保護等
 中古不動産の売買において、売主のプライバシー保護をどのように確保するのかなど、インターネットを利用することによって生じる問題について検討する必要がある。

(2)不動産業における電子商取引問題
 現在、政府において電子商取引の推進を行っているところであり、数年中の法改正も視野に入れているところである。しかしながら、電子商取引を可能とするためには様々な制度整備も必要であるが、電子商取引を導入した場合にどのような変化が生じるのかも検討する必要がある。

資料2/宅地建物取引業における電子商取引にかかる検討課題

 近年のIT化の進展に対応して、宅地建物取引業におけるIT化への対応をどのように考えるかという問題がある。宅地建物取引業法(以下、法という)はこれまでの対面販売等を前提として構成されておりその在り方も含めて様々な課題について検討する必要がある。

<検討課題>

1. 宅地建物取引業における電子商取引のニーズの把握(ニーズがあればその状況の把握)
2. 宅地建物取引業における電子商取引の導入の可否(どこまで電子商取引での処理を認めるのか)
3. 消費者保護の要請との兼ね合い

政府全体としてはIT化を推進することが基本的な方針となっている。

■法において問題となるであろう箇所
事務所の設置(法第3条、施行令第1条の2)
・ネット上の事務所を業法上の事務所と認定することの可否
・事務所における宅建業者の表示をどうするのか
・全ての商取引を行うことを認めるのか
・ネット上の事務所に専任の主任者は必要か
媒介契約(法第34条の2)
・電子認証、電子公証システムを導入することを前提に電子書面の交付を認めるのか
重要事項説明(法第35条)
・電子認証、電子公証システムを導入することを前提に電子書面の交付を認めるのか
・口頭説明についてどうするのか
・取引主任者証の提示をどうするのか
書面の交付(法第37条)
・電子認証、電子公証システムを導入することを前提に電子書面の交付を認めるのか
申込の撤回(第37条の2)
・電子商取引で成立した契約に対し、クーリングオフを認めるのか
・電子メールによるクーリングオフの通知を認めるのか
その他
・自己の電子認証を他人に貸すことの禁止(名義貸しの禁止で対応)

■技術的に問題になると思われる箇所
宅地建物取引業者及び取引主任者の認証システムの構築
・宅地建物取引業の免許を持っている証明が必要
・取引主任者の登録をしている証明及びその宅地建物取引業者の従業員である証明が必要
電子公証システムの導入
・交付した書面の偽造、改竄防止等の対応として必要
情報漏洩防止のための暗号化技術の導入
・公開鍵暗号方式等の導入が必要
→なお、技術的問題は全て現時点でも解決は可能である
また、当然に契約の相手方も上記システムを導入していなければ行い得ない

<※ なお、いわゆる「バイヤーズエージェント」等の検討について事務局からの口頭説明を行った。>

 インターネット上での物件情報提供は、買い手が直接に元付業者に接触する方向に働く。このような場合における消費者保護を考えるならば何らかの形で買い手側に専門知識を持った業者がついて助言・交渉を行うのが望ましいと考えられる。
 その際、アメリカで導入されている「バイヤーズエージェント制度」は一つの参考になるものと考えられ、バイヤーズエージェントがどのような役割を果たしているのか、買い手消費者保護の上で具体的にどのような機能を果たしているのか、我が国の不動産仲介制度になじむものなのかなどについて検討を行う。

<委員会の今後の検討スケジュール>

 委員会は、本年9月26日に第1回委員会を開催し上記のような検討課題について基礎的な検討をはじめたところです。
 本格的な検討のために必要な予算を来年度要求中であり、来年度に成果を得ることを目途としています。

<報道に関するQ&A>

Q. 報道では消費者がインターネットで不動産物件情報を検索して不動産仲介業者を介して購入した場合に買い手から徴収していた仲介手数料(成約価格の3%プラス6万円が上限)を、2001年に宅地建物取引業法を改正し免除(あるいは徴収の禁止)するとされているが、これについての事実関係はどうなのですか?

A. 報道の中で、不動産物件情報のインターネット上での公開に関する問題を検討する委員会を設置した点は事実ですが、その委員会ではレインズの在り方など基礎的な勉強をはじめたところであり、2001年の宅地建物取引業法の改正は想定外です。
 手数料の在り方については、インターネット時代に対応した不動産取引の在り方や業務形態が明確になった段階で慎重に検討すべき課題であり、現時点で具体的な方向性が明確になっている訳ではありません。この点について報道の中で、2001年に法改正を行うことが建設省の方針であるかのごとく報じられていることは事実と違いますので、記事の訂正を要求したところです。


Q. 実際には、手数料の在り方の検討を行っていて、買い手仲介手数料の免除も検討しているのではありませんか?

A. インターネットにより不動産物件情報を検索して仲介事業者から不動産を購入する場合において、買い手消費者に対して仲介事業者は専門知識・ノウハウを用いて物件についての審査や価格評価の適正さの審査等を行うものであり、そのような労務提供に対して仲介手数料という形で報酬が支払われるものであることから、仲介手数料の免除を法律で定めることは考えられません。
 インターネット時代に対応した消費者のニーズや事業者の業態に応じた新たな手数料の在り方などについては、インターネット情報の正確さの担保や、顧客が的確な取引判断を行うことが可能となるような環境整備を進めたうえで業界団体を含め関係者との意見交換を行い、十分に議論するテーマであると考えています。


緊急セミナー/『【米国を席巻するCRM業態革命】を半日で学ぶ!』【NEW】

ブックレット<14>
『日米で同時進行/不動産流通のWeb革命を読む』



 
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