FDJ/不動産情報パノラマ
住宅・不動産業ニュース
『不動産・住宅ジャーナル』特報
2001年1月24日発



FDJ社特報/山岡幸雄のアメリカ情報(January 21, 2001)

(1)1,200万ドル(およそ13億円強)のキャッシュを支払う
  ■360°画像によるプレゼンテーション・ツールを専属で取得
(2)アライアンスはHomeStore.comにどれほど大切なのか
  ■リスティングが一世代上の段階に入る!
(3)参考までに見ておくインターネットに関連する統計
  ■住宅購入予定者の3分の2がインターネットを使用
  ■iPIX副社長のコメント/1日に100万回以上ヒット
(4)いまバーチャル・ツアーがなぜそれほど重要なのか
  ■写真1枚だけのMLSの機能はもはや古臭いものに
  ■あるブローカーのiPIXに対する見解
  ■あるエージェントのiPIX活用の成果
(5)将来がバラ色に富んだものに見えるアライアンス
  ■現金ゲットとロイヤルティで活路を拓く


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(1)1,200万ドル(およそ13億円強)のキャッシュを支払う

■360°画像によるプレゼンテーション・ツールを専属で取得
全米リアルターズ協会(NAR)のWebサイト『REALTOR.com』をサポートしているHomeStore.com(Nasdaq: HOMS)は1月16日、1,200万ドル(およそ13億円強)のキャッシュを支払う事で、NARの76万会員などに不動産バーチャル・ツアーの提供を行っているiPIX(Nasdaq: IPIX)と専属関係のアライアンス(同盟)を結んだ。
これにより、HomeStore.comは米国の不動産業界で唯一iPIXの360°画像を使っての不動産取引における現地案内のプレゼンテーションを行える事となった。

■HomeStore.com
HomeStore.com(社名はHomeStore.com,Inc.サイトの名称が『HomeStore.com』)は、NAR会員の物件コンテンツ(Listings=140万件)をWebサイトの中核コンテンツ(NARとHomeStore.comとの間で独占的使用契約が結ばれている)にして、急成長してきた米国最大の不動産(情報検索)サイト。2000年11月には、米国の大手不動産フランチャイズが結集していたSendant社の『Move.com』を買収し、売買物件のリスティング数を200万件にまで積み上げてきている。
▼HomeStore.com  http://www.homestore.com/

■iPIX/360°画像
一方、iPIX(社名はInternet Pictures Corporation)は、ホテル・旅行業界、住宅・建設業界、不動産業界などに向けてインターネットのWebサイト上で展開される360°画像(商品名がiPIX)によるバーチャル・ツアーのプレゼンテーション・ツールを提供しているもの。
▼iPIX  http://www.ipix.com/

■不動産iPIXセンターのご案内
http://www.fdj.com/ipix/

■『家探しバーチャル・ツアー』のご案内
http://www.ie-sagashi.com/ipix/



 
(2)アライアンスはHomeStore.comにどれほど大切なのか

その要として上げられる最大の理由と背景は、バーチャル・ツアーはもはや、不動産取引の重要な手法としてインターネット上でプレゼンテーションを行う場合に、当然の事として受け入れられるようになりつつある事である。

■リスティングが一世代上の段階に入る!
この表現は少し大袈裟に聞こえるかもしれないが、しかし、今日の不動産業界においてインターネットの活用がどれくらい新しい段階にきているのかを見る時、iPIXとHomestoreのアライアンスがいかに重要な意味を持つものか理解できるであろう。
HomeStore.comでは、これまですでにMLS(リスティング)の基本的な情報である物件情報に加え、その物件に関連した地図、学校区の情報、近所の情報、犯罪情報などをもはや欠かせない付加価値情報として提供してきた。
しかし、HomeStore.comでは今回のアライアンスによって、それらに加えて今後はそうした情報をiPIXでバーチャル・ツアーができるようにしたのである。つまり、Webサイト上における不動産物件のリスティングをさらに一世代上の段階へ引き上げる事となったのだ。

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(3)参考までに見ておくインターネットに関連する統計

1. 米国のインターネット使用者数は1億人をこえ、この数字は全米における大人の数の半分以上を占めている、とStrategis Group ( http://www.strategisgroup.com/ )はその調査結果を発表している。1年前まで、この数字は6,800万人だった。
 
2. この1億人の使用者の中におけるホーム・バイヤーのうち、4人に1人の割合でインターネットを使用して家探しをしている事が判明。この数字は、4年前に比べて18倍の伸び率となっている。
そして、NARの2000年調査では37%のホーム・バイヤーが家探しにインターネットを使用し、「インターネットを使用した48%の人がインターネットは家を探す上で必要欠くべからざるものである」と述べている。
 
3. Jupiter Research ( http://www.jupiterresearch.com/ )というリサーチ会社では、「2000年中に家を買った人の約50%の人が家探しにインターネットを使用した」との調査結果を発表している。
このリサーチ会社の予測では、「2005年にはホーム・バイヤーとレンター(賃借人)の80%以上が家探しのツールとしてインターネットを使用するであろう」と推測している。今後、このようにインターネットの利用が伸びるであろうと推測できる。
その要因として、同社では次のような要素をあげている。

(1) 家のリサーチ、購入手段として、さらに人々がWebサイトに順応するであろう。
(2) オンライン上でのリスティングの数が、もっともっと増えてくるであろう。
(3) Webサイト上の検索機能がさらに強化されるであろう事と、その中におけるマルチィメディアの機能がより強化される。
(4) 数多くの統合化されたコンテンツが、提供されるようになってくるであろう。
 
4. インターネットそのものは、もはや不動産業界における歴然とした存在感を持っている。ブローカーとかエージェントはそれを利用する事ですでに新しい商売を始めている。少なくとも10件中7件くらいが、何らかの形でインターネットを応用した取引になっているという事実がある。
 
■住宅購入予定者の3分の2がインターネットを使用
 
5. NARの調査では、「ホーム・バイヤー予定者のうち 3分の2が、インターネットを使用するであろう」との予側が出ている。
 
6. インターネットを使って家探しをすると、従来の家探しに比べてその時間が半分ですむ。これは、カリフォルニア州リアルター協会(CAR)から「インターネットを使って家探しをした人はその時間が2ヵ月半と従来の家探しに比べて半分の時間ですんでいる」事が、1999年の調査結果として報告されている。

こうして見ると、200万件のリスティングを持つHomeStore.comは、明らかに他の競争相手に比べてリスティングの数の上で確固たる優位性を保っている。ホーム・バイヤーにとってリスティングが最初にWebサイトで見るものである限り、その中で見られる物件情報に加えて物件の写真やバーチャル・ツアーは非常に魅力的なものである。

■iPIX副社長のコメント/1日に100万回以上ヒット
このバーチャル・ツアーに関してiPIXの上級副社長、Stu Roberson氏は、次のように述べている。

「iPIXは、物件のバーチャル・ツアーとして1日に100万回以上のヒット数がある。HomeStore.comは、不動産業界における優位性を保つ企業として当社の戦略にぴったり添ったものである。
不動産業界では60,000件以上のiPIXによるユニークなバーチャル・ツアーが実施され、400以上の不動産総合サイトでiPIXがフルサービスのバーチャル・ツアーとして利用されている。また。トップ50のブローカーがフルサービスのバーチャル・ツアーを利用している。
たとえば、Virginia Cook Realtors ( http://www.virginiacook.com/ )とか John L. Scott Realtors( http://www.johnlscott.com/ )のようなブローカーでは、その価格の如何に関わらず、すべてのリスティングでバーチャル・ツアーが行えるようにしている」。

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(4)いまバーチャル・ツアーがなぜそれほど重要なのか

■写真1枚だけのMLSの機能はもはや古臭いものに
それは、インターネット技術とブロードバンドの幅が広がり、写真1枚だけのMLSの機能はもはや古臭いものになってしまった事だ。
もう1つは、個人で家を探す人にとって、インターネットは個人使用のものであり、エージェントに連絡する前に入手できるあらゆる限りの情報を個人で検索してしまうというユーザーの行動変化がある。
その意味においてバーチャル・ツアーは、その目的を達成するために最適のツールである。そういった観点から考察する時、HomeStore.comがiPIXを取得した事は、HomeStore.comの本来の目的から見ると当然の理と思われる賢明な選択で全く以って鬼に金棒となるであろう。


■あるブローカーのiPIXに対する見解
エージェントは、バーチャル・ツアーを活用する事で他のエージェントとの差別化を図る事ができ、セラーに大いにアピールする事ができる。
これに関してあるブローカーは、次のように述べている。
「新聞紙上とか、不動産専門雑誌での限られた広告に比べ、その物件がある限り、インターネット上でiPIXの素晴らしい宣伝ができる。さらに、印刷物とは違って、iPIXによるバーチャル・ツアーでは、見込み客が物件の好きな場所を何回でも好きなだけ訪問する事ができる。このバーチャル・ツアーは、バイヤーが得られる満足度に比べてその使用代はほんのわずかだ」。

■あるエージェントのiPIX活用の成果
Miami のエージェントである Jim Lankes氏は、彼の持つリスティングArroyo Madera Estatesのコンドミニアムを「バイヤーがiPIXでバーチャル・ツアーを行い、その物件を実際に見る事なくリスティングから10日目で言い値の98%の価格で購入を決めた」と述べている。

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(5)将来がバラ色に富んだものに見えるアライアンス

しかし、iPIXのビジネスは最初から順調だったわけではない。同社は、2000年の10月に四半期ごとに400万ドルの累積赤字となる経費削減を行うため、20%の従業員を解雇。 それにより、同社の2001年おける第4四半期は何とか利益計上できる見通しになっている。しかし、2001年における同社の利益幅(見通し)は20%削減され、1億4,100万ドルに引き下げられている。

■現金ゲットとロイヤルティで活路を拓く
2000年の春、Wall Street を襲ったハイテク株の急落時にiPIXは、経営戦略として他からの負債を重ねる事での収入の道を求めるのではなく、他の持つセールス力を応用する方針を取り、今回、不動産業界ではその優位性を誇るHomeStore.comと提携する事でiPIXとしてキャッシュを得る事と、HomeStore.comのiPIXによるバーチャル・ツアーの管理を行う事でのロイヤルティを得られる賢明な選択を行ったのである。

IPIXでは現在、250,000以上の不動産iPIXバーチャル・ツアーを管理しているのと同時に、第三者によるホスト・ソリューションを行っており、そこからリスティングへのビジターの推定25%を取り込むようになっている。
この手法はすでに、IBMとかeBay( http://www.ebay.com/ )で行なわれており、iPIXはeBayの競売チャンネルの管理で独占契約を交わしている。ここでは、すでに1日に2,000万件以上のヒット数がある。

こうした方向を見る時、iPIXとHomeStore.comとの今回のアライアンスは、将来がバラ色に富んだものと言えるでしょう。

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ロス在住:コンサルタント/山岡幸雄
E-mail:Yukio-Yamaoka@home.com

在米20年を超え、日米でUCLAの大学院を含め計20年間学校へ通う。日本では英国大使館に勤務した経歴を持ち、アメリカでは米国国務省の通訳としての資格を持つ。現在は、カスミ不動産での不動産業務の他もっぱらコンサルタントして活躍している。



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